🐻こぐまさん
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【簿記童話】浦島太郎の収支報告書〜亀を助けたら減価償却が始まった!?〜

豆知識:簿記童話シリーズ

2025年5月20日 に公開

【簿記童話】


浦島太郎の収支報告書〜亀を助けたら減価償却が始まった!?〜

昔々、あるところに、海のトラブルに首を突っ込む系の青年がいました。
彼の名は、浦島太郎。
でもこの太郎、なぜか帳簿だけはちゃんとつけていたのです。


【第一章:亀を助けた件】


通りすがりにいじめられていた亀を助けた太郎。

(借)奉仕活動費 0 /(貸)愛情・正義 プライスレス

→ この時点では出費も収入もなし。しかし将来の“人的資本投資”とも考えられる。


【第二章:竜宮城ご招待】


亀の感謝により、海底の豪華施設「竜宮城」へご招待!

提供されたサービス:

  • 宿泊(3泊4日)
  • 食事(海鮮フルコース)
  • おもてなし(乙姫の舞付き)

→ これらは、もし金銭換算すると10万円相当と仮定。

(借)交際費 100,000 /(貸)無償受贈益 100,000

金銭は動いてないが、経済的価値が発生したため、仕訳対象に。


【第三章:玉手箱の受け取り】


帰り際、乙姫から「開けないでね」と手渡された“玉手箱”。

太郎の帳簿処理:

(借)資産(受贈品) 50,000 /(貸)受贈益 50,000

→ 形式上は“資産”。でも中身の価値は未確定。リスク資産扱いにするべきだったかも…


【第四章:帰還&評価損】


玉手箱を開けた瞬間、**評価額ゼロの“老化ガス”が放出。**太郎は一気におじいさんに。

(借)評価損 50,000 /(貸)資産(受贈品) 50,000

→ 減損ではなく全損扱いの評価損。太郎、帳簿上でもガチ損。


【おまけ:太郎の固定資産(釣り竿)の減価償却】


地元で漁師をしていた太郎は、5年前に買った釣り竿(10,000円)を今でも愛用。

(借)減価償却費 2,000 /(貸)釣具減価償却累計額 2,000

→ 5年で償却中。今年が4年目。まだ1年分残っていたが…玉手箱により強制終了。


【収支報告書:浦島太郎PL(簡易版)】


勘定科目金額(円)
受贈益(竜宮城)100,000
交際費▲100,000
受贈益(玉手箱)50,000
評価損▲50,000
減価償却費▲2,000
当期純利益▲2,000

見た目は豪華、でも収支はマイナス! これが“竜宮城マジック”。


【エピローグ】


🐱
ミーヤ:「玉手箱、ちゃんと評価してから資産にすればよかったのに〜」
ペンリー:「開けないって言われたときが、“備忘価額で記録”のタイミングでしたね」
こぐまさん:「太郎さん…つらかっただろうな…期末に評価損って…」

夢のような出来事にも、簿記のロジックは息づいている。
あなたの玉手箱は、本当に資産ですか?

🐻
こぐまさん

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。

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