日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 1 / 9

原価の流れ・工業簿記の仕訳

このページの目標:製造費用から当月製品製造原価を求められる。

2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点

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まずは身近な場面から

こぐま商会の工場では、木材を使って木製カートを作ります。木材のまま、組み立て途中、完成、販売という順に、かかった金額を追いかけましょう。

こぐまさん

こぐまさん材料を使ったら、すぐ全部が売上原価になる?

ペンリー

ペンリーまず作りかけの品物へ原価を集めるよ。完成したら製品へ移し、売れた分だけを売上原価にするんだ。

この場面で使う言葉

原価(げんか)
品物を作るためなどにかかった金額。工場では材料や作業の費用を製品に集める。
仕掛品(しかかりひん)
まだ完成していない、作りかけの品物。使った材料や作業の原価が集まる。
製品
製造が終わった品物。完成していても、売れるまでは資産として残る。
品物の状態に合わせて、原価を移す
  1. 材料まだ使っていない
  2. 仕掛品使って、作っている途中
  3. 製品完成したが、まだ売れていない
  4. 売上原価売れた分を費用にする

材料・仕掛品・製品は資産。完成しただけでは、売上原価には移しません。

ひとこと確認

完成したけれど、まだ売っていない製品の原価は?

計算の前に、意味を確かめてみましょう。成績には含みません。選び直せます。

この考え方を、数字で確かめる

具体例で数字を追いかける

期首仕掛品20,000円、当月製造費用180,000円、期末仕掛品30,000円。当月の完成品原価を求めます。

なぜ、この計算になるの?

  1. 前月からの作りかけ20,000円に、今月かかった180,000円を足すと、完成品と作りかけへ分ける総額は200,000円です。
  2. まだ作りかけの30,000円を残し、完成した分170,000円を製品へ移します。材料の数量ではなく、原価の金額の流れです。
条件から求める金額・数量左右にスクロールできます
流れ計算金額
仕掛品へ集めた原価20,000+180,000200,000円
作りかけとして残る原価期末仕掛品30,000円
完成して製品へ移す原価200,000−30,000170,000円

当月完成分170,000円を製品へ振り替えます。残り30,000円は仕掛品として翌月へ繰り越します。

この例の仕訳左右にスクロールできます
借方科目金額(円)貸方科目金額(円)
製品170,000仕掛品170,000

解き方と処理のルールを整理しよう

購入・消費・完成・販売の段階に応じて、原価を次の勘定へ移す。

工業簿記では、ものづくりの費用を材料費・労務費・経費に分類し、製品へ集計します。製品に直接たどれる費用は仕掛品へ、共通する間接費は製造間接費へ集めてから配賦します。

仕掛品は作りかけの製品、製品は完成した品です。完成時に仕掛品から製品へ、販売時に製品から売上原価へ振り替えます。製造にかかった費用を、発生した月にすべて売上原価にするわけではありません。

2問で確かめよう

解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。

確認問題 1
円
確認問題 2
円

回答は学習履歴には保存されません。

入力方法を確認する

0以上の整数を、単位を付けずに入力してください。全角数字・3桁ごとのカンマにも対応しています。例:120000 または 120,000。

条件が変わったら、どう考える?

工場でカートが完成しましたが、まだ倉庫に残っています。こぐまさんは原価を全部売上原価へ移しました。

こぐまさん

こぐまさんの疑問完成したら、その原価は今月の費用になる?

ペンリー

ペンリーと整理完成は仕掛品から製品への移動だよ。売った分だけが売上原価になる。倉庫の分は資産に残るんだ。

  1. 1材料・賃金・経費を発生
  2. 2直接費と配賦間接費を仕掛品へ
  3. 3完成分を製品へ
  4. 4販売分を売上原価へ

原価の行き先を仕訳でたどる

直接材料60,000円を使うと仕掛品/材料。直接賃金40,000円を集計すると仕掛品/賃金。製造間接費30,000円を配賦すると仕掛品/製造間接費です。支払時点ではなく、何の原価へ集まるかで記録します。

期首仕掛品20,000円に当月投入130,000円を加え、期末仕掛品10,000円を残すなら、完成品原価は140,000円。製品140,000/仕掛品140,000とします。

原価の移動左右にスクロールできます
出来事借方貸方
直接材料を使う仕掛品60,000材料60,000
直接賃金を集計仕掛品40,000賃金40,000
間接費を配賦仕掛品30,000製造間接費30,000
完成製品140,000仕掛品140,000

製品勘定から売上原価を求める

期首製品30,000円に完成品140,000円が入り、期末製品50,000円が残れば、販売分原価は120,000円です。売上代金が200,000円であっても、売上原価は120,000円です。

材料、仕掛品、製品それぞれで『期首+当期増加−期末=当期減少』を使います。ただし減少の意味は、材料なら消費、仕掛品なら完成、製品なら販売と異なります。

この条件の仕訳(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額
製品120,000

考え方を自分の答案にする

完成と販売を区別して記録

期首仕掛品15,000円、当月投入原価210,000円、期末仕掛品25,000円。期首製品30,000円、期末製品50,000円。原価差異など他の増減なし。

数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。

完成時の振替仕訳

当月完成した原価を振り替えてください。

自分で仕訳を作る(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額
考え始めるヒント

の月初と当月投入を足し、作りかけで残る月末分を引こう。

当月の売上原価
円
考え始めるヒント

勘定で、販売できる総原価から未販売の月末製品を差し引こう。

完成したが未販売の原価はどこに残る?
考え始めるヒント

作りかけか完成済みか、さらに販売済みかを分けよう。

回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。

対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。