【簿記3級童話】一寸法師の旅費精算〜打ち出の小槌は収益?資本?〜
2025年5月24日 に公開
【簿記3級童話】
一寸法師の旅費精算〜打ち出の小槌は収益?資本?〜
むかしむかし、子どものいない老夫婦の元に生まれたのは、たった一寸(約3cm)の小さな男の子。それが、一寸法師です。
小さい体でも志は大きく――彼はいつか都で立身出世することを夢見ていました。
一寸法師:「この小槌で、大きな仕訳を打ち出してみせますぞ!」
【第1章:旅立ちと雑収入】
ある日、一寸法師は茶碗の船に乗り、箸の櫂を持って、都へ旅立ちます。
村の人々は「お礼はいらない、夢に向かって頑張れ」と、旅立つ一寸法師に合計15,000円の旅費を寄付してくれました。
村人:「一寸ちゃんの志に、ほんの気持ちじゃ!」
一寸法師:「ありがとうございまする!きっと立派になりまする!」
→ 本業以外の臨時的な収入として、雑収入で処理:
(借)現金 15,000 /(貸)雑収入 15,000
【第2章:鬼退治と褒賞金】
都では、鬼が姫をさらう事件が発生。姫の護衛として同行した一寸法師は、見事に鬼を退治!
姫:「あなた、本当に強いのね…」
その褒美として、お殿様から30,000円の褒賞金を授かります。
→ こちらも営業活動の結果ではないため、雑収入として処理:
(借)現金 30,000 /(貸)雑収入 30,000
【第3章:打ち出の小槌と資本増強】
鬼の置き土産、「打ち出の小槌」。
振れば一寸法師が等身大になり、剣も鎧も家も現れたという不思議なアイテム。
一寸法師:「これは…資産なのか?収益なのか?」
打ち出の小槌の効果は、等身大の身体と共に「剣・鎧・家」を生み出しました。
簿記3級で扱える範囲では、これらは事業に使う道具とみなし「備品」として記帳できます。
(借)備品 50,000 /(貸)元入金 50,000
🐧ペンリー:「夢を生む装置も、帳簿では“備品”なんですよ」
【エピローグ】
🐱ミーヤ:「えっ、旅費も褒賞金も“雑収入”扱いなの!?」
🐧ペンリー:「営業収益じゃないからね。事業外の収入は“雑収入”が便利なんですよ」
🐻こぐまさん:「こぐま商会も、村からPOSレジ寄贈されたら“元入金”…かな?」
【仕訳クイズ!】
一寸法師が村人からもらった15,000円を、簿記3級で処理するとしたら?
A. (借)仮払金 15,000 /(貸)現金 15,000
B. (借)現金 15,000 /(貸)雑収入 15,000
C. (借)現金 15,000 /(貸)売上 15,000
正解は……B!
寄付や臨時的な支援金は「雑収入」で処理されます。
【まとめ】
- 村人からの支援金も、お殿様からのご褒美も「雑収入」
- 雑収入は営業外の臨時的な収益に使う
- 打ち出の小槌のように価値が増すものは「備品」として計上し、「元入金」で資本増強も表現できる
一寸法師の成長も、仕訳にすれば大きく見えるのです。
こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。