
受験年度に注意:このページの紙の手形・小切手を使う例題は、2026年度までの出題区分表に沿った演習です。2027年度からの範囲は確定版の変更点で確認してください。
模試第24回の第1問は、何が起きた取引かを確認してから、増減する科目と金額を決めると整理できます。この記事では全15問について、問題文、正解仕訳、借方・貸方の理由を順に確認します。今回は定期預金・カード販売・貸倒れ・立替金が復習の中心です。
こぐま商会の経理日誌:第24回を振り返る
こぐま商会の閉店後。こぐまさんは第24回の解答を机に広げ、正解した問題にも、科目を選んだ理由を一言ずつ添えることにしました。
こぐまさん:「カードの手数料も、立て替えた手数料も、お金が出るから同じ費用だと思っていたよ。」
ペンリー:「そのお金を最終的に誰が負担するかを比べてみよう。会社の費用と、あとで返してもらうお金では違うんだ。」
こぐまさん:「預金の移動や、まだ商品を受け取っていない内金も、支払いだけを見てはいけないんだね。」
ペンリー:「会社にどんな権利が残るかを一緒に確かめよう。科目の名前は、その違いと結び付けて考えるといいよ。」
仕訳を決める三つの確認
こぐまさん:「似た名前の科目で迷ったら、何から見ればいいかな?」
ペンリー:「何の代金か、もう記帳しているか、実際に何を受け渡したかを確かめよう。」
| 確認すること | 問題文で探す条件 | 仕訳へのつながり |
|---|---|---|
| 取引の内容 | 商品・自社用備品・借入れ・出資など | 売上、備品、借入金、資本金を区別する |
| 記録した時点 | 未記帳・処理済み・回収・精算など | 新規の費用計上か、既存の科目の取崩しかを決める |
| 今回の受渡し | 現金・普通預金・当座預金・後払いなど | 実際に動いた資産や残った債権・債務を記録する |
入金と売上、支払いと費用は、いつも同時に起きるとは限りません。 まず自分で問題を読み、答えを考えてから仕訳表を確認してみてください。
問1 普通預金から定期預金へ預替え
問題:余裕資金120,000円を普通預金口座から定期預金口座へ預け入れた。
こぐまさん:「定期預金に預けたお金は、もう使ったお金として費用になるの?」
ペンリー:「自社の普通預金から定期預金へ移しただけだよ。預金として持っている財産は残っているんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 定期預金 | 120,000 | 普通預金 | 120,000 |
今回は、普通預金から定期預金へお金を移しています。普通預金は日常の入出金に使い、定期預金は預入期間を決めて預ける預金です。同じ銀行預金でも預け方が変わるので、科目を振り替えます。
借方の理由
普通預金にあったお金を、定期預金として預け直しました。新たな預け先に移った金額を、定期預金の借方に記録します。
貸方の理由
定期預金へ移したお金は、普通預金には残りません。移動元の普通預金を同額だけ貸方で減らします。
間違えやすいポイント
自社の預金どうしの移動で、誰かに費用を支払った取引ではありません。会社全体のお金は、この振替だけでは減りません。
こぐまさん:「同じ銀行に置くお金でも、科目を分けるのはどうして?」
ペンリー:「自由に出し入れする普通預金と、預入期間を決める定期預金では預け方が違うからだよ。移動先を増やし、移動元を減らそう。」
問2 手数料を差し引くカード販売
問題:得意先に商品80,000円を販売し、代金はクレジット払いとした。なお、信販会社への手数料2,400円は販売時に差し引いて処理する。
こぐまさん:「カードの手数料を引かれるなら、売上もその分だけ少なくするのかな?」
ペンリー:「お客さんに売った商品の代金と、信販会社に払う手数料を分けよう。手数料は決済を利用するための費用なんだ。」
こぐまさん:「受け取る予定は77,600円でも、売上は80,000円のままなの?」
ペンリー:「そう。差額2,400円を支払手数料にすると、商品代金の売上と決済の費用を両方記録できるよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 77,600 | 売上 | 80,000 |
| 支払手数料 | 2,400 |
今回は、商品の代金をカード払いにしています。会社があとで代金を受け取る相手は購入客ではなく信販会社なので、通常の売掛金と分けてクレジット売掛金にします。信販会社の利用料は支払手数料という費用です。
計算の順序
商品代金から手数料を引き、信販会社から受け取る金額を求めます。 80,000円 − 2,400円 = 77,600円
借方の理由
カード払いなので、代金は後日、信販会社から受け取ります。手数料を除いた77,600円をクレジット売掛金の借方に記録します。 信販会社を利用するための2,400円は会社の費用なので、支払手数料の借方に記録します。
貸方の理由
お客さんに販売した商品の代金は80,000円です。信販会社への手数料は別の費用なので売上から差し引かず、商品代金全額を貸方に記録します。
間違えやすいポイント
手数料は決済の費用であり、商品の値引きではありません。入金予定額だけを売上にせず、商品代金全額の売上と手数料を分けます。
こぐまさん:「商品を値引きしたのではないから、売上から直接引かないんだね。」
問3 残高ゼロからの貸倒引当金設定
問題:決算にあたり、売掛金の貸倒見積額15,000円を貸倒引当金として設定した。なお、設定前の貸倒引当金の残高はゼロである。
こぐまさん:「まだ貸倒れが起きていないのに、売掛金を消してしまうの?」
ペンリー:「今回は回収できなくなる見込みに備える処理だよ。売掛金自体は残し、貸倒引当金を設定するんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 15,000 | 貸倒引当金 | 15,000 |
今回は、売掛金が将来回収できなくなる可能性に備えます。貸倒引当金は、現金を別に積み立てるものではなく、回収できない見込みを帳簿に反映する項目です。その見積りを当期の費用にする科目が貸倒引当金繰入です。
借方の理由
売掛金のうち、将来回収できないと見込む分を当期の費用として見積もります。既存の引当金がないため、見積額全額を貸倒引当金繰入の借方に記録します。
貸方の理由
まだ実際の貸倒れではないので、売掛金自体は残します。その代わり、回収できないと見込む額を売掛金から差し引いて示すため、貸倒引当金を貸方に記録します。
間違えやすいポイント
まだ貸倒れが確定していないので、売掛金そのものは取り消しません。今回は既存の引当金がゼロのため、見積額の全額を追加します。
こぐまさん:「必要額の15,000円を、そのまま追加していいのかな?」
ペンリー:「今回は設定前の残高がゼロだから、15,000円全額を追加するよ。残高がある問題では、その残高も確認しよう。」
問4 引当金がない売掛金の貸倒れ
問題:前期に発生した売掛金18,000円について、貸倒引当金の残高がないため貸倒れとして処理した。
こぐまさん:「前期の売掛金が貸し倒れたなら、貸倒引当金を使うはずでは?」
ペンリー:「使える貸倒引当金が残っていれば取り崩せるけれど、この問題では残高がないね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒損失 | 18,000 | 売掛金 | 18,000 |
今回は、売掛金が実際に回収できなくなっています。将来の見積りを費用にする貸倒引当金繰入とは違い、実際に生じた損失なので貸倒損失です。使える貸倒引当金がないため、全額を今回の損失にします。
借方の理由
受け取れるはずだった代金が回収不能となり、会社に損失が生じています。取り崩せる引当金がないので、全額を今回の貸倒損失として借方に記録します。
貸方の理由
回収できなくなった代金を、受け取れる財産として残すことはできません。もとの売掛金を貸方で取り消し、帳簿から除きます。
こぐまさん:「前期の売掛金でも、引当金がなければ全額を損失にするんだね。」
ペンリー:「実際に回収できなくなったので、貸倒損失を記録しよう。まだ見積りをする段階の貸倒引当金繰入とは違うよ。」
問5 期首商品の仕入勘定への振替
問題:期首商品棚卸高42,000円を仕入勘定に振り替えた。
こぐまさん:「期首に商品があるだけなのに、今また仕入れたことにするの?」
ペンリー:「新しく買ったのではなく、前期末から残った商品の原価を、当期の仕入勘定へ集める処理なんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 42,000 | 繰越商品 | 42,000 |
今回は、前期の売れ残り商品の原価を、当期の売上原価の計算へ含めます。繰越商品は期をまたいで保有する在庫の原価、仕入勘定はこの問題で売上原価を計算するための勘定です。そのため、期首商品の原価を繰越商品から仕入へ移します。
借方の理由
当期の売上原価を計算するには、当期に買った商品だけでなく、前期から持ち越した商品の原価も必要です。その期首商品原価を仕入の借方に加えます。
貸方の理由
前期末には、売れ残った商品を繰越商品として残していました。その原価を仕入へ移すので、もとの繰越商品を貸方で取り消します。商品を廃棄したわけではありません。
間違えやすいポイント
期末の売れ残りを仕入から繰越商品へ戻す仕訳とは逆です。今回は期首商品の振替なので、仕入を増やして繰越商品を取り消します。
こぐまさん:「では、現金や買掛金は増減しないんだね。」
ペンリー:「代金のやりとりはないよ。仕入を増やす一方で、期首分の繰越商品を取り崩そう。」
問6 手形貸付金と貸付金の区分
問題:取引先に現金90,000円を貸し付け、うち60,000円について約束手形を受け取った。
こぐまさん:「90,000円を貸したのだから、全部を手形貸付金にすればいいのかな?」
ペンリー:「手形を受け取ったのは、そのうち60,000円だけだよ。貸した総額と、手形で裏付けられた部分を分けよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 手形貸付金 | 60,000 | 現金 | 90,000 |
| 貸付金 | 30,000 |
今回は、お金を貸し、その一部について返済の約束手形を受け取っています。手形でも、商品代金として受け取る場合の受取手形とは違い、貸したお金の返済に使うので手形貸付金です。手形のない残りは貸付金に分けます。
計算の順序
貸付総額から手形のある部分を引き、通常の貸付金にする額を求めます。 90,000円 − 60,000円 = 30,000円
借方の理由
貸したお金は、あとで取引先から返してもらえます。その権利のうち、手形を受け取った60,000円は手形貸付金、残り30,000円は貸付金として借方に記録します。
貸方の理由
取引先へ渡した現金は合計90,000円です。手形を受け取った部分だけでなく、実際に貸し渡した総額を現金の貸方で減らします。
こぐまさん:「残り30,000円も貸したお金だけれど、手形はないんだね。」
ペンリー:「だから借方は手形貸付金60,000円と貸付金30,000円に分けるんだ。貸方の現金は支出総額90,000円になるよ。」
問7 従業員への貸付け
問題:従業員に普通預金口座から25,000円を貸し付けた。
こぐまさん:「従業員に渡したお金だから、給料という費用にするのかな?」
ペンリー:「今回は貸し付けたお金なので、あとで返してもらう約束があるんだ。働いた対価の給料とは分けよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 従業員貸付金 | 25,000 | 普通預金 | 25,000 |
今回は、従業員にお金を貸しています。給料は働いた対価ですが、今回のお金は返済してもらうものです。また、従業員の費用を代わりに払った立替えでもないため、従業員貸付金にします。
借方の理由
従業員に渡したお金は、働いたことへの報酬ではなく返済してもらうお金です。その受取権利を、従業員貸付金の借方に記録します。
貸方の理由
貸付資金を普通預金から従業員へ送っています。会社の口座から出た金額を、普通預金の貸方に記録します。
こぐまさん:「従業員に対して返してもらえる権利が増えるんだね。」
ペンリー:「その権利を従業員貸付金にするよ。お金を渡した相手だけでなく、渡した理由を確認すると区別できるね。」
問8 役員への貸付け
問題:役員に普通預金口座から60,000円を貸し付けた。
こぐまさん:「役員に関するお金なら、役員借入金を使うのかな?」
ペンリー:「今回は会社が役員へ貸しているよ。会社が借りた場合と、お金の向きが逆なんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 役員貸付金 | 60,000 | 普通預金 | 60,000 |
今回は、会社が役員にお金を貸しています。貸付金は返してもらう権利、借入金は返す義務です。会社から見てどちらなのかで判断し、今回は相手が役員なので役員貸付金を使います。
借方の理由
会社が役員へお金を貸したので、役員から返してもらう権利が生じています。貸した相手が役員であることを示す役員貸付金で、借方に記録します。
貸方の理由
役員へ貸すお金は普通預金から振り込んでいます。会社の口座から出た金額を、普通預金の貸方で減らします。
こぐまさん:「会社から見て、役員に返してもらう権利があるんだね。」
ペンリー:「だから役員貸付金になるよ。誰から誰へ貸したかを確認してから、貸付金と借入金を選ぼう。」
問9 取引先の手数料の立替え
問題:取引先の手数料4,800円を現金で一時的に立て替えた。
こぐまさん:「手数料を払ったのに、支払手数料という費用を使わないの?」
ペンリー:「その手数料を負担するのは取引先だよ。会社が一時的に払った分は、あとで返してもらうんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 立替金 | 4,800 | 現金 | 4,800 |
今回は、取引先が負担する手数料を会社が代わりに払っています。自社が負担するなら支払手数料ですが、今回は取引先から返してもらうため立替金です。何の支払いかだけでなく、誰の負担かで科目が変わります。
借方の理由
手数料を負担するのは取引先で、会社は一時的に代わりに払っただけです。会社の費用ではなく、取引先から返してもらう権利として立替金を借方に記録します。
貸方の理由
取引先の負担分でも、今回は会社の現金で払っています。会社から実際に出ていったお金を現金の貸方に記録します。
こぐまさん:「会社の負担ではないから、返してもらう権利として残すんだね。」
ペンリー:「その権利が立替金だよ。現金が出ていった理由まで読むと、自社の費用との違いが分かるね。」
問10 従業員個人の研修費の立替え
問題:従業員が負担すべき研修費6,000円を現金で立て替えた。
こぐまさん:「従業員の研修費なら、会社の費用として扱っていいのかな?」
ペンリー:「この問題には『従業員が負担すべき』とあるね。会社の業務費用ではなく、従業員個人の分を先に払っているよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 従業員立替金 | 6,000 | 現金 | 6,000 |
今回は、従業員本人が負担する研修費を会社が先に払っています。会社の研修費ではなく、従業員から返してもらう権利なので従業員立替金です。会社の業務費用を従業員が先に払う場合とは、立替えの向きが逆です。
借方の理由
研修費を負担するのは従業員本人なので、会社には返してもらう権利が残ります。会社の研修費にはせず、従業員立替金の借方に記録します。
貸方の理由
研修費を会社の現金で先に払っています。従業員に返してもらう前でも、この時点で出ていった現金を貸方で減らします。
こぐまさん:「従業員に貸したお金と似ているけれど、同じ科目にはしないの?」
ペンリー:「ここでは本人が払うべき代金を代わりに払っているので、従業員立替金にしよう。お金を貸す契約の場面と分けるんだ。」
問11 注文時の内金支払い
問題:商品を注文し、内金30,000円を現金で支払った。
こぐまさん:「商品を注文してお金も払ったから、もう仕入を記録するのかな?」
ペンリー:「まだ商品を受け取っていないね。今回は商品を受け取る前に、代金の一部を払っているんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前払金 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
今回は、商品を受け取る前に内金を払っています。商品の引渡し前に代金の一部を先払いしたものなので前払金です。保険など継続的なサービスの翌期分を先払いする前払費用や、内容未確定の仮払金とは区別します。
借方の理由
商品はまだ届いていませんが、内金を支払った分の商品を受け取る権利があります。この先払い分を前払金の借方に残し、商品を受け取るまで仕入にはしません。
貸方の理由
注文の内金として、現金を先に渡しています。商品代金の全額ではなく、今回実際に渡した内金だけを現金の貸方に記録します。
間違えやすいポイント
まだ商品を受け取っていないので、内金の支払時には仕入を計上しません。引渡しを受けた時に、商品代金へ充当します。
こぐまさん:「金額を先に渡すなら、仮払金ではないの?」
ペンリー:「今回は商品代金の内金だと分かっているよ。だから前払金として残し、商品を受け取ったときに精算しよう。」
問12 備品売却代金の後日回収
問題:備品の売却代金55,000円は月末に受け取ることとした。備品の帳簿価額は48,000円である。
こぐまさん:「備品を売って代金を後で受け取るなら、売掛金を使うのかな?」
ペンリー:「売掛金は通常の商品販売代金だね。今回は自社の備品を売った代金なので、未収入金として残そう。」
こぐまさん:「売却代金55,000円と帳簿価額48,000円の差はどうなるの?」
ペンリー:「帳簿価額より7,000円高く売れたので、その分は固定資産売却益だよ。代金全額を利益にしないようにしよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収入金 | 55,000 | 備品 | 48,000 |
| 固定資産売却益 | 7,000 |
今回は、自社で使っていた備品を売り、代金を後日受け取ります。受取権利でも、通常の商品販売の売掛金ではなく、備品売却代金の未収入金です。また、売却代金全額ではなく、帳簿価額を上回る差額だけを固定資産売却益にします。
計算の順序
売却代金から帳簿価額を引き、売却益を求めます。 55,000円 − 48,000円 = 7,000円
借方の理由
備品は売却済みですが、代金の受取りは月末です。商品販売の掛代金ではないため、あとで受け取る売却代金を未収入金の借方に記録します。
貸方の理由
売却した備品は会社に残らないので、帳簿にあった48,000円を貸方で取り消します。 それより高く売れた7,000円は今回のもうけなので、固定資産売却益の貸方に記録します。
こぐまさん:「受け取る代金、なくなる備品の価額、差額の利益を分けるんだね。」
問13 商品券を受け取る販売
問題:商品券22,000円を受け取り、商品を販売した。
こぐまさん:「商品券もお金の代わりにもらった物だから、現金にするのかな?」
ペンリー:「商品券は現金とは分けて受取商品券に記録するよ。商品を渡して販売したことは、売上に記録しよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取商品券 | 22,000 | 売上 | 22,000 |
今回は、商品を売り、代金として商品券を受け取っています。商品券は発行者などとの精算を通じて代金を受け取るためのもので、手元の現金とは分けて受取商品券にします。
借方の理由
商品代金として、あとで精算を受けるための商品券を取得しています。現金を受け取ったのではないため、受取商品券が増えたことを借方に記録します。
貸方の理由
商品は今回販売しています。代金を商品券で受け取った場合も、販売額を売上の貸方に記録します。商品券を精算する日まで売上を待つ必要はありません。
間違えやすいポイント
紙の形かどうかだけで現金かどうかを決めません。他人振出の小切手は簿記上の現金ですが、今回の商品券は受取商品券として管理します。
こぐまさん:「現金をまだ受け取っていなくても、売上にはなるんだね。」
ペンリー:「商品は販売済みだからね。代金として受け取った物に合わせて、借方の科目を選ぼう。」
問14 店舗の保証金の差入れ
問題:店舗の賃借にあたり、保証金100,000円を現金で差し入れた。
こぐまさん:「お店を借りるために払うお金なら、保証金も支払家賃になるの?」
ペンリー:「保証金は家賃と違い、契約に従って返還を受けるために差し入れるお金だよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 差入保証金 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
今回は、店舗の契約に伴って保証金を預けています。家賃は店舗を使うための費用ですが、保証金は契約終了時などに返還を受ける性質のお金です。その返還を受ける権利として、差入保証金にします。
借方の理由
店舗を借りるために保証金を預けていますが、使い切った家賃とは違い、返還を受ける権利が残ります。その預けたお金を差入保証金の借方に記録します。
貸方の理由
保証金は現金で相手に預けています。将来返してもらう性質のお金でも、いま手元から出た金額は現金の貸方で減らします。
こぐまさん:「払ったまま費用にせず、返してもらう権利を残すんだね。」
ペンリー:「今回の差入れは差入保証金という資産にするよ。家賃の利用料と、保証のために預けたお金を区別しよう。」
問15 未使用切手の貯蔵品への振替
問題:期末に未使用の切手3,000円を貯蔵品へ振り替えた。
こぐまさん:「切手は買ったときに通信費にしているのに、決算でまた記録するの?」
ペンリー:「今回は買い直すのではなく、未使用の分を当期の通信費から外す処理だよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 3,000 | 通信費 | 3,000 |
今回は、買った切手のうち、使っていない分を翌期に残します。使った切手は通信費ですが、未使用の切手はこれから使える物なので貯蔵品です。商品の売れ残りではないため、繰越商品とは分けます。
借方の理由
未使用の切手は、来期以降の郵送に使える物として会社に残っています。当期に使い切った費用から外し、貯蔵品という資産を借方に記録します。
貸方の理由
購入時に通信費とした額のうち、まだ使っていない分が含まれています。その分を当期の費用から除くため、通信費を貸方で減らします。
間違えやすいポイント
購入し直したわけではないので現金は動かしません。購入時の通信費から、未使用分だけを資産へ移します。
こぐまさん:「まだ使える切手が残っているから、貯蔵品という資産に変えるんだね。」
ペンリー:「そう。支払った現金はもう記録済みなので、今回は通信費と貯蔵品だけを振り替えよう。」
もう一度、自分で仕訳してみよう
こぐまさん:「今度は表を見ずに、手数料を差し引くカード販売を説明してみるよ。」
ペンリー:「科目と金額を決めたら、借方・貸方にした理由も一言添えてみよう。」
確認問題:得意先に商品80,000円を販売し、代金はクレジット払いとした。なお、信販会社への手数料2,400円は販売時に差し引いて処理する。
紙に仕訳を書いてから、次の答えと照合してください。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 77,600 | 売上 | 80,000 |
| 支払手数料 | 2,400 |
今回は、商品の代金をカード払いにしています。会社があとで代金を受け取る相手は購入客ではなく信販会社なので、通常の売掛金と分けてクレジット売掛金にします。信販会社の利用料は支払手数料という費用です。 問2の詳しい理由へ戻る。
エピローグ:理由を言えた問題から、次へ
こぐまさん:「会社のために払った費用なのか、誰かから返してもらうお金なのかを区別できたよ。」
ペンリー:「貸付け、立替え、前払いで、残る権利の内容も変わるね。」
こぐまさん:「カードの売上も、手数料を引いた入金予定額だけで決めないようにするよ。」
ペンリー:「商品代金全額の売上と、信販会社へ払う費用を分けて記録しよう。」
第24回の復習メモ
こぐまさん:「次に解くときは、この三つを確かめるよ。」
- カード販売では、商品代金の売上と決済手数料を分ける。
- 貸付金・立替金・前払金は、返してもらう理由や商品を受け取ったかで区別する。
- 貸倒れの見積りと、実際に回収不能になった処理を区別する。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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