本文へスキップ
🐻こぐまさん

【簿記3級】こぐまさん、ほんとに払ってもらえるの?〜貸倒引当金でリスクに備えよう〜

資産:貸倒引当金

2025年5月1日 に公開

【貸借対照表】
資産
負債
純資産(資本)
勘定科目一覧を見る →

【こぐま商会の経理日誌】


こぐまさん、ほんとに払ってもらえるの?〜貸倒引当金でリスクに備えよう〜

ある日、こぐまさんが帳簿を見ながら不安そうにつぶやきました。

🐻
こぐまさん:「ラパン製作所さんに出したあの売掛金、そろそろ入金のはずなんだけど……遅れてるなぁ」
🦊
フォクシー:「取引先って、必ずしも全員がきっちり払ってくれるとは限らないんだよ」
🐻
こぐまさん:「えっ!でも倒産したわけでもないのに、心配しなくちゃいけないの?」
🦊
フォクシー:「そう。実際に倒産してなくても、“回収できないかもしれない”ってリスクには備えておくのが経理の知恵なんだ」
🐱
ミーヤ:「え〜!じゃあもし払ってもらえなかったらどうするの?」
🦊
フォクシー:「そんなときのために“貸倒引当金”を設定しておくんだよ」

【こぐまTips:貸倒引当金とは?】


「貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)」は、売掛金や受取手形などが将来回収不能になるかもしれないリスクに備えて、あらかじめ費用を見積もっておくための勘定科目です。

ポイント:

  • まだ倒産していなくても、回収不能の可能性に備える
  • 費用は「貸倒引当金繰入」として計上
  • 資産のマイナスとして貸借対照表に表示される(控除表示)
  • 実際に貸し倒れが発生したら、基本的にはその引当金を使って処理する
🐻
こぐまさん:「なるほど、いわば“帳簿上の保険”みたいなものなんだね!」
🐱
ミーヤ:「保険料を払う代わりに、“損失を見積もって計上する”ってことか〜」

【仕訳クイズ①】ラパン製作所への売掛金に備えて…


ラパン製作所への売掛金100,000円について、
「1%は回収不能になるかも…」とフォクシーが助言してきました。
さて、決算整理仕訳は?

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入1,000貸倒引当金1,000
🦊
フォクシー:「これで未来のリスクに備えられるね」
🐻
こぐまさん:「よし、“心配性仕訳”をしておこう!」

【仕訳クイズ②】ラパン製作所が一部払えなかった!


決算後、ラパン製作所からの入金のうち1,000円が回収不能に。
でもこぐま商会はすでに貸倒引当金を設定していました。
このときの仕訳は?

借方金額貸方金額
貸倒引当金1,000売掛金1,000
🐻
こぐまさん:「あれ、新しい損失は出さないんだ?」
🦊
フォクシー:「そう、最初から見込んでいたから“想定内”なんだよ」
🐱
ミーヤ:「なるほど〜、準備って大事!」

【仕訳クイズ③:ひっかけ問題】新しい取引先が貸し倒れ!?


今度は、新しく取引を始めた栃木株式会社がいきなり倒産。
売掛金250,000円が全額回収不能に!
さらに帳簿には「貸倒引当金残高210,000円」と書かれています…。

さて、簿記3級の試験ではどう仕訳するでしょう?

A.

借方金額貸方金額
貸倒引当金210,000売掛金250,000
貸倒損失40,000

B.

借方金額貸方金額
貸倒損失250,000売掛金250,000

✅ 正解は…B!

  • 簿記3級では「当期発生分の貸倒れ」は全額「貸倒損失」で処理する。
  • 問題文に「貸倒引当金の残高○○円」とあっても期中貸倒れでは使わない。
  • 「貸倒引当金」は決算整理のときにだけ登場する。
🐻
こぐまさん:「えっ!? せっかく210,000も残高あるのに!?」
🐱
ミーヤ:「ぜったいAを選んじゃいそう〜!」
🦊
フォクシー:「そこが試験のひっかけ。3級はシンプルに貸倒損失で処理なんだ」
🐧
ペンリー:「実務ではAの処理をするけど、3級はB。級ごとのルールをしっかり区別だね」

【エピローグ】


🐻
こぐまさん:「ふぅ……貸倒引当金って、準備も大事だけど試験ではひっかけ要素にもなるんだね」
🐱
ミーヤ:「問題文に“残高”って出てくると、つい使いたくなっちゃうんだよなぁ〜」
🐧
ペンリー:「でも逆に、それを乗り越えられれば安心だよ。期中と決算整理を区別して覚えておこう」
🦊
フォクシー:「帳簿の世界でも“心配性”が大事。慎重さこそ経理の味方なんだ」
🐻
こぐまさん

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。

本記事の内容は独自に調査した情報に基づいて作成していますが、情報が古い場合や誤りがある場合もあります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。