
【簿記3級】貸倒損失とは?売掛金が回収不能になったときの仕訳
2025年5月1日 に公開

こぐま商会で、戻ってこない売掛金が見つかった日
ある日、こぐま商会に取引先のラビット運送から倒産通知が届きました。
こぐまさん:「この前の納品分、売掛金50,000円がまだ残っているね。」
ミーヤ:「えっ、もう回収できないってこと?」
ペンリー:「回収不能が確定したなら、債権を消して貸倒損失を記録する。」
貸倒損失は、売掛金や貸付金などの債権が回収不能になったときに使う費用です。簿記3級では、まず「どの債権が消えるのか」と「貸倒引当金で処理できる分があるか」を分けて考えると、仕訳を組み立てやすくなります。
【こぐまTips:貸倒損失とは?】
貸倒損失とは、売掛金・貸付金など、あとで回収するはずだった債権が回収不能になったときに記録する費用です。
こぐまさん:「貸倒損失は、“お金が出ていく”仕訳ではないんだね。」
ペンリー:「そう。すでに帳簿にある債権を、回収できないものとして消す処理だ。」
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 使う場面 | 売掛金や貸付金などが回収不能になったとき |
| 勘定科目の分類 | 費用 |
| 仕訳の考え方 | 借方に貸倒損失、貸方に消える債権 |
| 注意点 | 貸倒引当金がある場合は、まず引当金を使う |
相手先の倒産、破産、長期の行方不明などで回収見込みがなくなったとき、帳簿上の債権を残したままにはできません。回収できない事実を費用として認め、売掛金や貸付金を減らします。
貸倒損失の仕訳は「消える債権」を貸方に置く
貸倒損失の基本仕訳は、借方に貸倒損失、貸方に消える債権を置きます。
ミーヤ:「貸方はいつも売掛金?」
ペンリー:「売掛金が回収不能なら売掛金。貸付金が回収不能なら貸付金だ。」
例題1:売掛金50,000円が倒産により回収不能となった。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒損失 | 50,000 | 売掛金 | 50,000 |
売掛金という資産が消えるため、貸方に売掛金を置きます。借方には、回収できなくなった損失として貸倒損失を記録します。
貸倒引当金があるときは、まず引当金を使う
前期以前に貸倒引当金を設定している債権が貸倒れた場合は、いきなり全額を貸倒損失にするのではなく、まず貸倒引当金を取り崩します。
こぐまさん:「前に“貸倒れるかもしれない”と見積もっていた分を使うんだね。」
ペンリー:「その通り。足りない分だけ貸倒損失にする。」
| 状況 | 借方に置くもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 貸倒引当金で全額まかなえる | 貸倒引当金 | すでに見積もっていた分を使う |
| 貸倒引当金が不足する | 貸倒引当金と貸倒損失 | 不足分だけ当期の費用にする |
| 当期発生の売掛金が貸倒れる | 貸倒損失 | まだ引当金の対象ではない |
例題2:貸倒引当金10,000円がある状態で、売掛金10,000円が貸倒れた。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 10,000 | 売掛金 | 10,000 |
この場合、見積もり済みだった分で処理できるため、追加の貸倒損失は発生しません。
例題3:貸倒引当金8,000円がある状態で、売掛金10,000円が貸倒れた。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 8,000 | 売掛金 | 10,000 |
| 貸倒損失 | 2,000 |
不足した2,000円だけを貸倒損失にします。仕訳表では、借方合計10,000円と貸方合計10,000円が一致しているかを最後に確認します。
後日回収できたら償却債権取立益で処理する
いったん貸倒処理した債権が、あとから一部回収できることもあります。その場合は、売掛金を復活させず、償却債権取立益という収益で処理します。
ミーヤ:「あきらめたあとに戻ってきたら、ちょっと特別な収益なんだね。」
こぐまさん:「貸倒損失とセットで覚えると、流れが見えるね。」
関連する処理を続けて確認するなら、貸倒引当金と償却債権取立益も見ておくと整理しやすいです。
最後に確認したい3つのこと
こぐまさん:「今日のポイントは、消える債権と引当金の有無を分けて見ることだね。」
- 貸倒損失は、回収不能になった債権を処理する費用
- 貸方には、消える売掛金・貸付金などの債権を置く
- 貸倒引当金がある場合は、まず引当金を使い、不足分だけ貸倒損失にする

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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