
【簿記3級】手形借入金とは?「約束手形の返却を受けた」の意味と仕訳
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こぐま商会は、銀行から借りた資金の満期を迎えました。問題文には「手形借入金を返済し、約束手形の返却を受けた」と書かれています。
こぐまさん:「返却を受けたということは、手形をもう一度仕訳するのかな。」
ミーヤ:「お金を返したうえに、何か受け取った仕訳も必要なの?」
ペンリー:「約束手形が戻るのは、返済が終わって借入の証書が役目を終えたという意味だ。」
手形借入金は、銀行などから資金を借りるために約束手形を振り出したときに使う負債です。「約束手形の返却を受けた」とは、借入金を返済したため、銀行が保管していた手形を借り手へ返したということ。返却された手形そのものを別の勘定科目で仕訳する必要はなく、手形借入金の返済だけを記録します。
【こぐまTips:手形借入金とは?】
手形借入では、借り手が「満期日に一定額を支払う」と記した約束手形を銀行などへ渡し、資金を受け取ります。帳簿では、受け取った資金を資産の増加、返済義務を手形借入金の増加として記録します。
こぐまさん:「借入時は、資金と引き換えに返済義務が生じるんだね。」
ペンリー:「手形は借入の証拠、手形借入金は帳簿上の負債と分けて考える。」
| 観点 | 手形借入金 | 支払手形 |
|---|---|---|
| 取引の目的 | 資金を借りる | 商品の仕入代金などを後日支払う |
| 相手の例 | 銀行など | 仕入先など |
| 貸方の勘定科目 | 手形借入金 | 支払手形 |
| 判断の合図 | 「借り入れた」 | 「仕入代金として振り出した」 |
同じ約束手形でも、資金調達なら手形借入金、仕入代金の支払いなら支払手形です。
「約束手形の返却を受けた」とは?
銀行は、借り手が振り出した約束手形を返済まで保管します。満期日に借入金を返済すると、手形に基づく支払義務がなくなるため、銀行から手形が返されます。
ミーヤ:「返ってきた手形は、新しい財産を受け取ったわけではないんだね。」
ペンリー:「そのとおり。借金が消えたことを確認する書類の動きだ。」
つまり、問題文の「返却を受けた」は、手形借入金を返済して負債が消滅したことを示す説明です。返却という言葉に引っ張られて、受取手形や現金を借方へ記入しないようにしましょう。
| 問題文の動き | 帳簿で記録すること |
|---|---|
| 借入金を返済した | 手形借入金を借方に記入して減らす |
| 預金から支払った | 当座預金や普通預金を貸方に記入して減らす |
| 約束手形の返却を受けた | 返却だけの追加仕訳はしない |
こぐま商会ではどう仕訳する?
例1:約束手形を振り出して借り入れた
こぐま商会は銀行に約束手形を振り出し、500,000円を借り入れ、当座預金へ入金を受けました。
こぐまさん:「当座預金が増え、同時に返済義務が生じるね。」
ミーヤ:「貸方は支払手形ではなく、借入だから手形借入金!」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 500,000 | 手形借入金 | 500,000 |
ペンリー:「取引の原因が借入だから、負債は手形借入金で記録する。」
借入時は、増えた預金を借方、増えた手形借入金を貸方に記録します。
例2:返済して約束手形の返却を受けた
満期日に手形借入金500,000円を当座預金から返済し、銀行から約束手形の返却を受けました。
ミーヤ:「『返却を受けた』はあるけれど、仕訳は返済の1行だけでいいんだよね。」
こぐまさん:「手形借入金を減らし、支払った当座預金を減らすよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 手形借入金 | 500,000 | 当座預金 | 500,000 |
負債の手形借入金は借方で減少し、支払手段の預金は貸方で減少します。手形の返却について、もう1行仕訳を足す必要はありません。
ペンリー:「返された手形は、返済済みであることを確かめる証拠になる。」
例3:返済時に利息も支払った
手形借入金300,000円の満期に、利息3,000円とあわせて普通預金から支払い、約束手形の返却を受けました。
こぐまさん:「元本と利息は、別の勘定科目に分けたいね。」
ミーヤ:「手形借入金300,000円と支払利息3,000円を借方にするんだ!」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 手形借入金 | 300,000 | 普通預金 | 303,000 |
| 支払利息 | 3,000 |
ペンリー:「元本は負債の減少、利息は借りた期間に対する費用だ。」
返済額に利息が含まれるときは、元本は手形借入金、利息は支払利息に分けるのがポイントです。
ここで迷いやすいポイント
ミーヤ:「『手形』や『返却』という言葉だけで勘定科目を決めると危ないね。」
ペンリー:「何のための手形か、何に対する返却かを取引全体から読む。」
- 「手形を振り出した」だけで支払手形と決めない
- 「借り入れた」とあれば手形借入金を考える
- 「返却を受けた」は返済完了の説明であり、受取手形の増加ではない
- 元本と利息を同時に払う場合は、手形借入金と支払利息に分ける
通常の借入金や支払手形と比べると、取引目的の違いを整理しやすくなります。
仕訳クイズ
こぐまさん:「返却という言葉に惑わされず、返済の仕訳を作ってみよう。」
ミーヤ:「まず減る負債と、支払った預金を見るね!」
Q. 銀行からの手形借入金800,000円を満期日に普通預金から返済し、約束手形の返却を受けた。仕訳は?
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 手形借入金 | 800,000 | 普通預金 | 800,000 |
約束手形が返却されても、**追加の仕訳はありません。**借方で手形借入金を減らし、貸方で普通預金を減らします。
最後に確かめたいこと
返却された約束手形は受取手形にしますか?
しません。自社が振り出した借入用の手形が戻っただけで、他社に対する金銭債権を受け取ったわけではないためです。
手形借入金はいつ借方に書きますか?
借入金を返済して負債が減るときに借方へ記入します。借入時は負債が増えるため貸方です。
「約束手形の返却を受けた」だけで仕訳しますか?
返却だけを独立した取引として仕訳はしません。問題文では通常、返済によって手形借入金が消滅したことを示しています。
エピローグ
ミーヤ:「手形が戻るのは、借金を返し終えたしるしなんだね。」
こぐまさん:「書類の動きと、帳簿に記録する金額の動きを分けて読めたよ。」
ペンリー:「返却という言葉より、負債がどう動いたかを見ると判断しやすい。」
まとめ
こぐまさん:「手形借入金の流れを3点で確認しよう。」
- 手形借入金は、約束手形を振り出して資金を借りたときの負債
- 「約束手形の返却を受けた」は、返済が終わり手形が戻ったという意味
- 返済時は「手形借入金/現金・預金」とし、手形返却の追加仕訳はしない
関連する負債科目を横断して見直すなら、勘定科目一覧も活用してください。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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