🐻こぐまさん
📦

【簿記3級童話】わらしべ長者と売買益〜モノの交換、帳簿はどう書く?〜

収益:売上/資産:棚卸資産

2025年5月23日 に公開

【簿記3級童話】


わらしべ長者と売買益〜モノの交換、帳簿はどう書く?〜

むかしむかし、貧しいけれど心のやさしい若者がいました。
手元にあるのは、たった一本の「わらしべ」だけ。

でも──
彼の前に現れた旅の僧がこう言いました。

僧:「このわらしべが、やがてお前を長者に導くであろう」


■ 交換、また交換!


若者はわらしべを旅の途中で“みかん”と交換。
さらにみかんを“反物”、反物を“馬”、馬を“屋敷”へと次々に交換していきました。

ここで問題です。

若者:「交換って……帳簿ではどう書くんだろう?」


■ 棚卸資産として記録


最初に“わらしべ”を0円で取得した若者。
しかし“みかん”は市場価値300円、“反物”は1,000円、“馬”は30,000円、最終的な“屋敷”は500,000円!

このように物を物で交換し、将来販売する目的で一時的に保有しているなら「棚卸資産」として記録します。

例:反物を取得した時

借方金額貸方金額
棚卸資産1,000棚卸資産300

※差額700円は「売上」として処理されるケース(または交換差益)。


■ 最終的に売却したら?


最終的に屋敷を現金で600,000円で売却した場合、帳簿価格500,000円との差額100,000円は「売上総利益」として処理します。

借方金額貸方金額
現金600,000売上600,000
売上原価500,000棚卸資産500,000

📌 わらしべから始まった物語でも、帳簿では“資産と収益の管理”が正確に必要です。


■ 学びの整理:交換と収益認識


ポイント内容
物々交換資産の入替。評価額に応じて帳簿価額を調整
棚卸資産販売目的で保有する商品・材料など(仕入に近い扱い)
売上棚卸資産を販売した時に認識(収益)
売上原価もともとその資産を得たときの取得価額

■ 仕訳クイズ:わらしべ帳簿の旅!


Q1. 反物(取得原価1,000円)を30,000円で販売し、現金受取。

借方金額貸方金額
[  ]30,000[  ]30,000
[  ]1,000[  ]1,000

答えは【エピローグ】へ!


【エピローグ】


🐻
こぐまさん:わらしべ一本から始まって、帳簿はすごいことになるんだね…
🦊
フォクシー理事:大事なのは“交換のたびに”資産の評価を見直すこと。そして売却した時点で収益を認識することです
🐱
ミーヤ:わたしもバッグを服と交換して…あとでフリマで売ったら帳簿つけたほうがいいの?
🐧
ペンリー:事業ならそうですね。個人の断捨離なら不要ですが…
🐻
こぐまさん:じゃ、クイズの答えいってみよう!

✅ クイズ答え

Q1
借方:現金 / 貸方:売上
借方:売上原価 / 貸方:棚卸資産


まとめ


  • 物々交換で得た資産も、棚卸資産として管理できる
  • 販売時に「売上」と「売上原価」に分けて記帳
  • 資産の価値変化は交換や販売で初めて帳簿に反映される

わらしべ一本から始まった旅路の終わりには──
立派な帳簿と、長者としての責任が待っていたのでした📦

🐻
こぐまさん

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。

本記事の内容は独自に調査した情報に基づいて作成していますが、情報が古い場合や誤りがある場合もあります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。