日商簿記2級 · 帳簿・決算・連結 · 6 / 6
連結会計・内部取引と未実現利益
このページの目標:期末商品に含まれる内部利益を、利益率の条件から計算できる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
親会社が商品に利益を上乗せして子会社へ売りました。でも、その商品が子会社の倉庫に残っていたら、グループの外にはまだ売れていません。

こぐまさん親会社の帳簿に利益が出ていても、消すことがあるの?

ペンリーグループ全体で見ると、外へ売れていない分の利益はまだ計上できないね。在庫に残った分だけ、上乗せした利益を取り除こう。
この場面で使う言葉
- 未実現利益(みじつげんりえき)
- グループ内で売買した商品などに含まれ、外部へ売れていないため連結上取り除く利益。
- 内部販売価格に対する利益率
- 社内で売った値段のうち、利益が何%を占めるか。原価に何%加算したかとは分母が違う。
具体例で数字を追いかける
親会社が原価80,000円の商品を100,000円で子会社へ販売。子会社には、この商品が内部販売価格で40,000円分残っています。税効果は考慮しません。
なぜ、この計算になるの?
- 原価80,000円を100,000円で売ったので、上乗せした利益は20,000円。販売価格100,000円のうち20%です。
- 子会社に残る40,000円も内部販売価格で示されています。同じ20%を掛けた8,000円が、在庫に残った利益です。全部の利益20,000円を消すわけではありません。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 内部販売の利益率 | (100,000−80,000)÷100,000 | 20% |
| 未実現利益 | 40,000×20% | 8,000円 |
連結上、期末商品を8,000円減らし、売上原価を8,000円増やします。グループ外へ売れた分の利益は残します。
| 借方科目 | 金額(円) | 貸方科目 | 金額(円) |
|---|---|---|---|
| 売上原価 | 8,000 | 商品 | 8,000 |
解き方と処理のルールを整理しよう
期首利益の当期実現と、期末在庫の未実現利益の消去を別々に追う。
親子会社間の売上と仕入、債権と債務は、グループ全体から見れば内部取引です。連結ではこれらを相殺し、外部との取引だけを残します。商品がグループ内に残っていると、その商品に上乗せした利益もまだ外部に対して実現していません。
期末商品の未実現利益は、内部販売価格に対する利益率を使えば、期末商品額×利益率で求められます。子会社から親会社への販売では、非支配株主に帰属する利益への影響も検討します。この例は親会社から子会社への販売に限定します。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
昨年、内部利益を消した商品が、今年はすべて外部へ売れました。

こぐまさんの疑問去年消した利益は、今年もずっと消したまま?

ペンリーと整理外部へ売れた年に実現するよ。期首分の実現と、今年の期末に残る利益の消去を分けよう。
- 1販売の向きと利益率
- 2期首分の実現
- 3期末分の未実現利益
- 4利益と在庫・非支配持分へ反映
期首利益の実現と期末利益の消去
ダウンストリーム(親から子)で、期首商品に含まれた内部利益6,000円が当期に全額外部へ実現し、当期末に新たな内部利益9,000円が残るなら、当期売上原価は差引3,000円増えます。当期利益は3,000円減ります。
開始仕訳と実現分をまとめた修正は、利益剰余金6,000/売上原価6,000。期末分は売上原価9,000/商品9,000です。期首と期末を足して15,000円の当期費用にしないようにします。税効果は考慮しません。
| 処理 | 売上原価 | 当期利益 |
|---|---|---|
| 期首分の外部実現 | −6,000 | +6,000 |
| 期末分の未実現利益消去 | +9,000 | −9,000 |
| 差引 | +3,000 | −3,000 |
子から親へ売った場合の取り分
アップストリームでは子会社の利益に含まれる内部利益を消します。そのため非支配株主に帰属する利益にも影響します。親の持分80%、子から親への期末内部利益10,000円、期首分なしなら、非支配株主に帰属する当期純利益は2,000円減ります。
親から子へ売った利益は親会社側の利益なので、同じ10,000円の消去でも非支配株主の取り分を減らす処理にはしません。販売の向きと、どちらの会社に利益が計上されたかを一組で見ます。
考え方を自分の答案にする
期首と期末を分けて在庫へ戻す
親から子への商品販売。期首商品に含まれた内部利益6,000円は当期中にすべて外部実現。当期末商品120,000円には新たな内部利益9,000円が含まれています。税効果なし。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。