日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 9 / 9
CVP分析・損益分岐点
このページの目標:損益分岐点売上高と目標利益に必要な売上高を求められる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
こぐま商会は、1個1,000円の品物を売ります。1個売るたびに600円かかり、売れる数に関係なくかかる費用もあります。何個売れば赤字を抜けられるでしょう。

こぐまさん1個売るたびに残る400円は、全部もうけ?

ペンリーまず、その400円を集めて固定費をまかなうよ。固定費をちょうどまかなえるところが、利益ゼロの境目なんだ。
この場面で使う言葉
- 変動費・固定費
- この例では、売る個数に応じて増える費用と、個数に関係なく総額が一定の費用。
- 貢献利益(こうけんりえき)
- 売上から変動費を引いた額。まず固定費をまかない、超えた分が利益になる。
- 損益分岐点(そんえきぶんきてん)
- 利益がちょうど0円になる売上高や販売数量。
- 600円:その1個にかかる変動費
- 400円:まず固定費をまかない、その後に利益を残す分
400円が積み重なって、固定費120,000円に届くと利益0円。必要なのは300個です。
具体例で数字を追いかける
販売単価1,000円/個、1個当たり変動費600円、固定費120,000円。販売単価・費用の関係は一定です。
なぜ、この計算になるの?
- 1個売ると1,000円の売上から変動費600円を引き、固定費に充てられる400円が残ります。
- 固定費120,000円を、1個当たり残る400円ずつでまかなうので、120,000÷400=300個です。300個売れば120,000円をまかなえて利益は0円になります。
- 売上高で求める場合は、売上100円につき40円残る割合(40%)を使います。120,000÷0.4=300,000円は、300個×1,000円とも一致します。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1個当たり貢献利益 | 1,000−600 | 400円 |
| 貢献利益率 | 400÷1,000 | 40% |
| 損益分岐点数量 | 120,000÷400 | 300個 |
| 損益分岐点売上高 | 120,000÷40% | 300,000円 |
300個で固定費をちょうど回収します。利益80,000円が目標なら、(120,000+80,000)÷400=500個が必要です。
解き方と処理のルールを整理しよう
売上から変動費を引いた割合で、固定費と目標利益を回収する。
CVP分析では、売上高・変動費・固定費・利益の関係を整理します。売上高から変動費を引いた貢献利益で固定費を回収し、残りが利益です。貢献利益率は、貢献利益÷売上高、または1−変動費率で求めます。
損益分岐点売上高は固定費÷貢献利益率。目標利益がある場合は(固定費+目標利益)÷貢献利益率です。販売単価や変動費率が一定という前提で使い、数量を求めるときは1個当たり貢献利益で割ります。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
こぐま商会は販売数を増やすため値下げを検討しています。店主は固定費も売上と同じ割合で増えると考えました。

こぐまさんの疑問売上が増えるなら、固定費も同じ割合で増やすの?

ペンリーと整理今の設備の範囲で一定という条件なら変えないよ。売上に比例する変動費と分け、貢献利益で固定費を回収する。
- 1売上と費用の資料
- 2変動費率と貢献利益率
- 3固定費+目標利益を回収
- 4売上高・数量・安全余裕を確認
資料から変動費率と固定費を取り出す
売上1,000,000円、変動費600,000円、固定費300,000円なら、貢献利益400,000円、貢献利益率40%、利益100,000円。損益分岐点売上高は300,000÷0.4=750,000円です。
安全余裕率は(実際売上−損益分岐点売上)÷実際売上。この例では25%です。現在の売上がどれだけ下がると赤字になるかを、売上高を分母にして読みます。
| 売上1,000,000円の内訳 | 金額 | 役割 |
|---|---|---|
| 変動費 | 600,000 | 販売に応じて増減 |
| 固定費の回収 | 300,000 | 貢献利益から負担 |
| 利益 | 100,000 | 固定費回収後に残る |
販売価格が変わるなら率も作り直す
変動費が1個当たり600円で一定のまま、販売単価を1,000円から900円へ値下げすると、1個の貢献利益は400円から300円へ減ります。固定費120,000円なら損益分岐点数量は300個から400個へ増えます。以前の貢献利益率40%をそのまま使いません。
必要販売数を求め、整数で答える条件なら端数を切り上げます。固定費や変動費が一定といえる操業範囲を越える場合は、追加の設備費等の条件も反映します。数量と売上高の単位を取り違えないようにしましょう。
考え方を自分の答案にする
売上資料から利益計画を作る
現在の売上1,200,000円、変動費720,000円、固定費360,000円。販売単価・変動費率・固定費は計画範囲内で一定。目標利益180,000円とします。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。