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🦊フォクシー
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【簿記3級の森】貸倒引当金と資産の控除をマスターしよう

費用:貸倒損失

2025年9月9日 に公開

【貸借対照表】
資産
負債
純資産(資本)
勘定科目一覧を見る →

物語:突然の知らせ


ある日の午後。こぐま商会にショッキングなニュースが飛び込んできました。

🐻
こぐまさん:「うわぁ〜!グリズリー工房からの売掛金、600,000円が回収不能になったって!」
🐱
ミーヤ:「ええっ!? そんな大金どうするの!?」
🦊
フォクシー:「ちょっと待って。内訳はどうなってる?」
🐻
こぐまさん:「前期販売分が400,000円、当期販売分が200,000円だよ。貸倒引当金の残高は300,000円あるんだ」

ペンリーの解説


🐧
ペンリー:「なるほど。じゃあこう整理しよう」
🐧
ペンリー:「前期分は、引当金で見込んであるからそこから処理。だけど足りない分は“貸倒損失”だね」
🐧
ペンリー:「当期分はまだ引当金を立てていないから、直接“貸倒損失”にするんだ」

このときの仕訳


借方金額貸方金額
貸倒引当金(資産の控除)300,000売掛金(資産)600,000
貸倒損失(費用)300,000

資産の控除ってなに?


ここで出てきた「貸倒引当金」は 資産の控除 と呼ばれる科目です。

意味

  • 資産をそのまま出すと多すぎるので、マイナス科目で差し引いて「純額」を示す。
  • 試験でよく出る資産の控除は次の2つ:
    1. 貸倒引当金(売掛金や受取手形から差し引く)
    2. 減価償却累計額(建物や備品から差し引く)

貸倒引当金を作成するとき(期末の見積)


貸倒引当金は「いきなり使う」のではなく、まず期末に“積み立て”をします。

売掛金 1,000,000円に対して、5%(50,000円)を貸倒見積とする場合。

仕訳(期末)

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入(費用)50,000貸倒引当金(資産の控除)50,000

貸借対照表の表示

勘定科目金額
売掛金1,000,000
貸倒引当金▲50,000
純額950,000
🐱
ミーヤ:「あ!貸倒引当金は、期末に“積んでおく”んだね!」
🐧
ペンリー:「そう。費用で積んで、資産の下でマイナス表示するんだ」

例②:建物と減価償却累計額


建物を 5,000,000円で購入し、減価償却累計額が 2,000,000円ある場合。

貸借対照表の表示

勘定科目金額
建物5,000,000
減価償却累計額▲2,000,000
純額3,000,000
🐻
こぐまさん:「なるほど!資産の控除って、建物でも同じ考え方なんだね」

追加クイズ(物語の延長)


🦊
フォクシー:「貸倒処理後に、もし一部でも現金が戻ってきたらどう仕訳する?」
🐱
ミーヤ:「えっ?もうゼロにしたのに!?」

Q. こぐま商会は、貸倒処理済みの売掛金から 20,000円を回収できた。このときの仕訳は?

エピローグ


🐻
こぐまさん:「貸倒引当金って、期末に積んでおいて、実際に貸倒れたらそこから使うんだね!」
🐱
ミーヤ:「なるほど〜!積み立て → 使用 → 調整 って流れか〜!」
🐧
ペンリー:「その通り。簿記3級試験では“資産の控除”と“貸倒引当金の流れ”が必ず問われるから、セットで押さえておこう」

追加クイズの答え


借方金額貸方金額
現金(資産)20,000償却債権取立益(収益)20,000

まとめ


  • 貸倒引当金は資産の控除(資産にマイナスをつける科目)
  • 期末に作る → 「貸倒引当金繰入/貸倒引当金」
  • 実際に貸倒れたときに使う → 「貸倒引当金/売掛金」+不足分は貸倒損失
  • 減価償却累計額も資産の控除。建物や備品から差し引いて純額表示
🦊
フォクシー

フォックス不動産のオーナー。知的で頼れる理事長タイプ。不動産と税金に詳しい。

本記事の内容は独自に調査した情報に基づいて作成していますが、情報が古い場合や誤りがある場合もあります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。