
【こぐま商会の月末チェック】
閉店後のこぐま商会。レジを締めたこぐまさんは、帳簿と通帳を見比べたまま、何度もページを行ったり来たりしていました。
こぐまさん:「ミントカフェのジャム代も、物置の家賃も、まだ入っていないんだ。どっちも“あとでもらうお金”なら、同じ扱いでいいのかな……?」
ミーヤ:「あ、ちょっと待って! それ、わたしなら絶対いっしょに見たくなるやつ!」
ペンリー:「ここは分けて考えよう。売上の代金なら売掛金、それ以外の収益なら未収収益だよ」
売掛金は商品やサービスを売った代金の未回収分、未収収益は家賃や利息など、売上以外の収益の未入金分です。この記事では、両方とも資産なのに何が違うのかを、仕訳と見分け方で整理します。
こぐまさん:「まずは一言で言うと、どう違うの?」
ペンリー:「“売上から生まれた債権か、それ以外の収益から生まれた債権か”だよ」
- 売掛金: 商品やサービスを売ったのに、代金をまだ受け取っていないときの資産
- 未収収益: 家賃や利息など、すでに発生した収益をまだ受け取っていないときの資産
- 迷ったら「相手科目が売上かどうか」で見ると速い
| 観点 | 売掛金 | 未収収益 |
|---|---|---|
| 何に対する未回収か | 売上代金 | 売上以外の収益 |
| よく出る場面 | 商品販売、サービス提供 | 受取家賃、受取利息など |
| 代表仕訳 | 売掛金 / 売上 | 未収収益 / 受取家賃 |
| 判断のコツ | 営業取引の後日回収か | 発生済み収益の未入金か |
【こぐまTips:売掛金はどんなときに使う?】
売掛金は、商品やサービスを提供したあとで、代金を後日受け取る権利です。
ミーヤ:「あ、それならわかりやすい! “お店の本業で生まれたツケ”なら売掛金っぽい!」
よくある場面は次のとおりです。
- 商品を掛けで販売した
- サービスを提供し、代金は来月払いになった
- 営業活動の結果として代金回収があとになる
つまり、売掛金は「売上」とセットになりやすい資産です。
ペンリー:「貸方が売上なら、借方は売掛金になることが多いよ。先に相手科目を見ると整理しやすい」
詳しくは売掛金の記事も確認してください。
【こぐまTips:未収収益はどんなときに使う?】
未収収益は、家賃や利息などの収益がすでに発生しているのに、まだ入金されていない状態を表す資産です。
こぐまさん:「商品を売ったわけじゃないのに、収益が先に立つことがあるんだね……。ここは毎回ちょっと身構えるなあ」
代表例は次のようなものです。
- 月末まで貸した分の受取家賃
- 当期分として発生した受取利息
- 継続的な契約に基づく役務収益の未入金分
ポイントは、売上代金の回収待ちではなく、発生主義で先に計上する収益だということです。
ペンリー:「売掛金が営業取引の未回収なら、未収収益は発生済み収益の未入金だよ。帳簿の入口が違う」
詳しくは未収収益の記事を参照してください。
こぐま商会ではどう仕訳する?
例題1
こぐま商会はミントカフェにジャム 24,000円分を販売し、代金は翌月末に受け取ることにしました。
こぐまさん:「商品は今日渡した。でも、入金は来月。売った実感はあるのに現金が増えないから、ちょっとそわそわするね」
ミーヤ:「でもこれ、本業の売上なんだよね? じゃあ売掛金で考える方が自然そう!」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 24,000 | 売上 | 24,000 |
解説:
ペンリー:「これは営業取引の後日回収だから売掛金だよ。『何を売ったか』と『貸方が売上か』を見て」
例題2
こぐま商会は使っていない物置を貸しており、3月分の受取家賃 18,000円が月末時点でまだ振り込まれていませんでした。
こぐまさん:「家賃は今月分として発生しているけど、振込は来月なんだ。こういうのは見落としそうで、ちょっとこわいな」
ミーヤ:「あ、こっちはジャム代と種類が違うね! だったら売掛金の箱に入れない方が見やすいよね」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収収益 | 18,000 | 受取家賃 | 18,000 |
解説:
ペンリー:「これは売上代金じゃなくて、発生済みの家賃収益だよ。だから未収収益」
ここで迷いやすいポイント
ミーヤ:「問題を見た瞬間に、どっちか決めるコツはある?」
ペンリー:「まず“何の収益か”を確認して。営業の売上か、それ以外かでかなり決まるよ」
こぐまさん:「“まだもらってない”だけで飛びつかないで、どこから生まれたお金かを見るんだね」
次の順番で見ると判断しやすくなります。
- 商品やサービスの販売代金か
- 相手科目は売上か、それとも受取家賃や受取利息か
- 発生主義で期末に見越している収益か
- 商品やサービスの代金未回収 → 売掛金
- 家賃や利息などの未入金 → 未収収益
仕訳クイズ
ミーヤ:「じゃあ次は自分で考えてみたい! こういうの、先にコツだけ覚えたらちょっと得だよね〜」
ペンリー:「じゃあ、こぐま商会の月末処理から1問。今度は売上じゃなくて利息で見てみよう」
Q. こぐま商会では、月末時点で当月分の受取利息 4,000円がまだ入金されていません。このときの仕訳は?
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収収益 | 4,000 | 受取利息 | 4,000 |
売上の未回収ではなく、発生済みの利息収益の未入金なので未収収益を使います。
つまずきやすい勘違い
入金がまだなら何でも売掛金にしてしまう
売掛金は売上代金の未回収に使う科目です。家賃や利息までまとめて売掛金にすると、収益の中身が見えにくくなります。
ミーヤ:「“まだ入ってないから全部売掛金でいいや〜”ってやると、見た目はラクでも中身がぐちゃっとするんだね。あとで自分に返ってくるやつだ」
未収収益を未収入金と混同する
未収収益は「収益」がすでに発生しているときに使う科目です。固定資産売却代金など、収益ではない入金待ちは別の科目になることがあります。
ペンリー:「名前が似ている科目ほど、相手科目と取引の性質を丁寧に見た方が安全だよ」
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エピローグ
ミーヤ:「“まだもらってない”だけじゃなくて、“何のお金がまだ来てないのか”を見るのが大事なんだね! それなら私でも見分けやすそう!」
こぐまさん:「うん。ぼくは“本業の売上か、売上以外の収益か”って聞き直すようにするよ。それなら帳簿の置き場所が見えてきそうだ」
まとめ
こぐまさん:「今日のポイントはこの3つだね」
- 売掛金は売上代金の未回収
- 未収収益は家賃や利息など、発生済み収益の未入金
- 迷ったら相手科目が売上かどうかを見る

こぐまさん
こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
本記事の内容は独自に調査した情報に基づいて作成していますが、情報が古い場合や誤りがある場合もあります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

