
受験年度に注意:このページの紙の手形・小切手を使う例題は、2026年度までの出題区分表に沿った演習です。2027年度からの範囲は確定版の変更点で確認してください。
模試第30回の第1問は、何が起きた取引かを確認してから、増減する科目と金額を決めると整理できます。この記事では全15問について、問題文、正解仕訳、借方・貸方の理由を順に確認します。今回は差額補充法・電子記録債権債務・小口現金・決算整理が復習の中心です。
こぐま商会の経理日誌:第30回を振り返る
こぐま商会の閉店後。こぐまさんは第30回の解答を机に広げ、正解した問題にも、科目を選んだ理由を一言ずつ添えることにしました。
こぐまさん:「必要な残高と今回追加する額を、同じ数字だと思ってしまうね。」
ペンリー:「引当金なら、すでにある残高を足して必要額になるように考えよう。今回増減する額を求めるんだ。」
こぐまさん:「小口現金も、支払報告だけなのか、補給までしたのかで変わるのかな?」
ペンリー:「どこまで処理する問題かを確認しよう。報告と補給を別々に考えてからまとめると、残る科目が分かるよ。」
仕訳を決める三つの確認
こぐまさん:「似た名前の科目で迷ったら、何から見ればいいかな?」
ペンリー:「何の代金か、もう記帳しているか、実際に何を受け渡したかを確かめよう。」
| 確認すること | 問題文で探す条件 | 仕訳へのつながり |
|---|---|---|
| 取引の内容 | 商品・自社用備品・借入れ・出資など | 売上、備品、借入金、資本金を区別する |
| 記録した時点 | 未記帳・処理済み・回収・精算など | 新規の費用計上か、既存の科目の取崩しかを決める |
| 今回の受渡し | 現金・普通預金・当座預金・後払いなど | 実際に動いた資産や残った債権・債務を記録する |
入金と売上、支払いと費用は、いつも同時に起きるとは限りません。 まず自分で問題を読み、答えを考えてから仕訳表を確認してみてください。
問1 貸倒引当金の差額補充
問題:決算で、貸倒引当金の必要額を15,000円と見積もった。貸倒引当金の貸方残高は8,000円あり、差額補充法で処理する。
こぐまさん:「必要な引当金が15,000円なら、今回15,000円を追加するのかな?」
ペンリー:「差額補充法だから、すでに残っている8,000円も含めて考えよう。追加するのは必要額に足りない部分だよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 7,000 | 貸倒引当金 | 7,000 |
今回は、決算で、貸倒引当金の必要額を15,000円と見積もった。貸倒引当金の貸方残高は8,000円あり、差額補充法で処理する。
借方の理由
必要額から既存残高を引いた追加額だけ、貸倒引当金繰入にします。
貸方の理由
同じ追加額を貸倒引当金に加えます。
間違えやすいポイント
問題文の「貸方残高8,000円」と「差額補充法」がポイント! 必要額15,000円をそのまま追加すると引当金が多くなります。追加するのは必要額15,000円-既存残高8,000円=7,000円だけです。これを借方の貸倒引当金繰入と貸方の貸倒引当金に計上します。
こぐまさん:「15,000円から8,000円を引いた7,000円だけ追加するんだね。」
ペンリー:「追加後の残高を確かめると、8,000円と7,000円で15,000円になるよ。仕訳の額と、処理後に残す額を区別しよう。」
問2 売掛金を電子記録債権へ切替え
問題:得意先への売掛金64,000円について、得意先の依頼により電子記録債権の発生記録が行われた。商品の販売時の仕訳は済んでいる。
こぐまさん:「電子記録債権が発生したなら、売上も増やすのかな?」
ペンリー:「商品の販売時の仕訳は済んでいるね。今回は売掛金だった権利が、電子記録による権利に切り替わったんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 電子記録債権 | 64,000 | 売掛金 | 64,000 |
今回は、得意先への売掛金64,000円について、得意先の依頼により電子記録債権の発生記録が行われた。商品の販売時の仕訳は済んでいる。
借方の理由
売掛金が電子記録債権に変わったので、その債権を増やします。
貸方の理由
販売時に計上済みの売掛金を取り消します。
間違えやすいポイント
問題文の「発生記録が行われた」「販売時の仕訳は済んでいる」がポイント! 売上をもう一度計上したり、入金済みとして普通預金を増やしたりしないようにします。変わるのは債権の形だけなので、借方の電子記録債権64,000円を増やし、貸方の売掛金64,000円を減らします。
こぐまさん:「受け取れる金額は同じで、権利の種類が変わっただけなんだね。」
ペンリー:「電子記録債権を増やす一方で、売掛金を減らそう。まだ入金されたわけではないから、預金も増やさないよ。」
問3 買掛金を電子記録債務へ切替え
問題:仕入先への買掛金77,000円について、当社が電子記録債務の発生記録を行った。仕入時の仕訳は済んでいる。
こぐまさん:「買掛金がなくなるなら、代金を支払ったことになるのかな?」
ペンリー:「今回は電子記録債務に切り替えただけだよ。払う義務は別の形で残っているんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 77,000 | 電子記録債務 | 77,000 |
今回は、仕入先への買掛金77,000円について、当社が電子記録債務の発生記録を行った。仕入時の仕訳は済んでいる。
借方の理由
仕入時に計上済みの買掛金を取り消します。
貸方の理由
買掛金に代わって生じた電子記録債務を計上します。
間違えやすいポイント
問題文の「電子記録債務の発生記録」「仕入時の仕訳は済んでいる」がポイント! 仕入をもう一度計上したり、支払済みとして普通預金を減らしたりしないようにします。変わるのは債務の形だけなので、借方の買掛金77,000円を減らし、貸方の電子記録債務77,000円を増やします。
こぐまさん:「買掛金は減らすけれど、現金や預金は減らさないんだね。」
ペンリー:「かわりに電子記録債務を貸方へ記録しよう。仕入れ自体は記帳済みなので、仕入ももう一度増やさないよ。」
問4 小口現金の支払報告のみ
問題:小口現金係から、交通費3,000円と郵便料金2,000円を小口現金で支払ったとの報告を受けた。小口現金の補給はまだ行っていない。
こぐまさん:「支払ったという報告を受けたら、普通預金を減らすのかな?」
ペンリー:「普通預金からの補給はまだしていないね。今回は小口現金係が手元のお金で払った分の報告だけだよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 3,000 | 小口現金 | 5,000 |
| 通信費 | 2,000 |
今回は、小口現金係から、交通費3,000円と郵便料金2,000円を小口現金で支払ったとの報告を受けた。小口現金の補給はまだ行っていない。
借方の理由
報告された交通費と郵便料金を、それぞれ旅費交通費と通信費にします。
貸方の理由
報告された支出分だけ小口現金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「補給はまだ行っていない」がポイント! 報告と同時に補給したものとして普通預金を減らすと、実際に行っていない取引まで記帳してしまいます。報告された交通費3,000円と通信費2,000円を借方に計上し、3,000円+2,000円=5,000円を貸方の小口現金から減らします。
こぐまさん:「支出した小口現金5,000円と、その使い道を記録するんだね。」
ペンリー:「借方を旅費交通費3,000円と通信費2,000円に分けよう。普通預金が動く補給の仕訳は、今は加えないよ。」
問5 小口現金の報告と即時補給
問題:小口現金係から、交通費4,000円と郵便料金1,000円を小口現金で支払ったとの報告を受け、ただちに普通預金から同額を引き出して補給した。報告時と補給時の仕訳をまとめて答えなさい。
こぐまさん:「問4と同じ支払報告なのに、貸方が小口現金にならないのはなぜ?」
ペンリー:「今回は報告の直後に、普通預金から同額を補給しているよ。報告と補給の二つの仕訳をまとめる指定なんだ。」
こぐまさん:「支払報告では小口現金が5,000円減り、補給では5,000円増えるんだね。」
ペンリー:「その増減を相殺すると、小口現金は差引きゼロだよ。費用と、補給のために減った普通預金が残るんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 4,000 | 普通預金 | 5,000 |
| 通信費 | 1,000 |
今回は、小口現金係から、交通費4,000円と郵便料金1,000円を小口現金で支払ったとの報告を受け、ただちに普通預金から同額を引き出して補給した。報告時と補給時の仕訳をまとめて答えなさい。
借方の理由
報告された交通費と郵便料金を、それぞれ旅費交通費と通信費にします。
貸方の理由
支出の報告と同時に補給したため、まとめた仕訳では普通預金だけを減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「ただちに普通預金から同額を引き出して補給」「まとめて答えなさい」がポイント! 支払報告だけを記帳すると補給が抜けます。借方に旅費交通費4,000円と通信費1,000円を計上します。小口現金の減少と補給による増加は相殺されるため、4,000円+1,000円=5,000円を貸方の普通預金から減らします。
こぐまさん:「小口現金の科目が答えに出なくても、支払報告と補給を両方考えた結果なんだね。」
問6 借入金の元金と利息の返済
問題:借入金の元金100,000円と、その返済日までの利息1,000円を合わせて、普通預金から振り込んだ。利息はまだ記帳していない。
こぐまさん:「返済の振込額101,000円は、全部を借入金から減らしていいのかな?」
ペンリー:「元金100,000円と利息1,000円は分けよう。借入金の残高が減るのは、元金の返済分だけだよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借入金 | 100,000 | 普通預金 | 101,000 |
| 支払利息 | 1,000 |
今回は、借入金の元金100,000円と、その返済日までの利息1,000円を合わせて、普通預金から振り込んだ。利息はまだ記帳していない。
借方の理由
元金の返済で借入金を減らし、未記帳の利息を支払利息にします。
貸方の理由
元金と利息を合計した振込額だけ普通預金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「元金と利息を合わせて振り込んだ」「利息はまだ記帳していない」がポイント! 振込総額をすべて借入金の返済にすると、利息の費用が抜けます。借方で借入金100,000円を減らし、支払利息1,000円を計上します。貸方の普通預金は元金100,000円+利息1,000円=101,000円です。
こぐまさん:「利息はまだ記帳していないから、今回支払利息を費用にするんだね。」
ペンリー:「借入金と支払利息の合計が、普通預金から振り込む101,000円になるよ。」
問7 他店発行の商品券での販売
問題:商品30,000円を販売し、代金として他店が発行した共通商品券を受け取った。
こぐまさん:「商品券で受け取った代金は、現金として記録するのかな?」
ペンリー:「この問題は他店が発行した共通商品券だね。現金とは分け、受取商品券という資産にしよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取商品券 | 30,000 | 売上 | 30,000 |
今回は、商品30,000円を販売し、代金として他店が発行した共通商品券を受け取った。
借方の理由
他店発行の商品券を、現金ではなく受取商品券として記録します。
貸方の理由
商品を販売した代金を売上にします。
間違えやすいポイント
問題文の「他店が発行した共通商品券」がポイント! 商品券を現金として記帳しがちですが、現金はまだ受け取っていません。代金として受け取った商品券を借方の受取商品券30,000円に記録し、商品を販売したので貸方の売上30,000円を計上します。
こぐまさん:「商品券を受け取るだけでも、商品を渡した分の売上は記録するんだね。」
ペンリー:「売上は商品の販売時に記録するからだよ。自社発行の商品券の使用とは条件が違うので、『他店が発行した』を確かめよう。」
問8 未使用郵便切手の振替
問題:決算で、購入時に通信費として処理した郵便切手3,000円分が未使用のまま残っていると分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
こぐまさん:「切手はすでに現金で買ったのに、ここでも現金を記録するの?」
ペンリー:「今回は買った切手のうち未使用分を振り替えるだけだよ。代金の支払いは、購入したときに記録済みなんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 3,000 | 通信費 | 3,000 |
今回は、決算で、購入時に通信費として処理した郵便切手3,000円分が未使用のまま残っていると分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
借方の理由
未使用の郵便切手を、決算時には貯蔵品として残します。
貸方の理由
購入時に費用計上した通信費を未使用分だけ減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「購入時に通信費として処理」「未使用のまま」がポイント! 未使用なのに通信費のままにすると、まだ使っていない切手まで当期の費用になります。決算では借方:貯蔵品3,000円/貸方:通信費3,000円に振り替え、購入時に借方計上した通信費を減らします。切手を買った際の支払いは記帳済みなので、今回は現金を動かしません。
こぐまさん:「当期にまだ使っていない3,000円を、通信費から外すんだね。」
ペンリー:「かわりに貯蔵品という資産へ移そう。買ったお金の処理と、使った分を費用にする処理を分けて考えるといいよ。」
問9 当期分の未払利息の見越し
問題:決算で、借入金の当期分の利息6,000円が未払いであると分かった。利息の支払日にはまだなっていない。
こぐまさん:「支払日がまだ来ていない利息まで、今期の費用にするの?」
ペンリー:「当期に借りていた期間に対応する利息だからだよ。いつ払うかと、どの期の費用かを分けよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払利息 | 6,000 | 未払費用 | 6,000 |
今回は、決算で、借入金の当期分の利息6,000円が未払いであると分かった。利息の支払日にはまだなっていない。
借方の理由
未払いでも当期分の利息は支払利息にします。
貸方の理由
後日支払う義務を未払費用にします。
間違えやすいポイント
問題文の「当期分の利息」「未払い」がポイント! 支払日がまだなので普通預金を減らす仕訳ではなく、借入金の元金も増減しません。当期の費用として借方の支払利息6,000円を計上し、未払いのまま残る額を貸方の未払費用6,000円にします。
こぐまさん:「費用は記録しても、まだ普通預金は減らさないんだね。」
ペンリー:「未払いの義務を未払費用にするよ。借入金の元金も増減していないので、そこまで動かさないようにしよう。」
問10 翌期分家賃の繰延べ
問題:決算で、支払家賃として処理済みの家賃のうち、翌期分24,000円が含まれていると分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
こぐまさん:「家賃は払ってしまったのに、支払家賃を減らすの?」
ペンリー:「払った家賃に、翌期に使う分が含まれているんだ。当期の費用には当期に対応する分だけを残そう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前払費用 | 24,000 | 支払家賃 | 24,000 |
今回は、決算で、支払家賃として処理済みの家賃のうち、翌期分24,000円が含まれていると分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
借方の理由
翌期分の家賃を前払費用という資産に振り替えます。
貸方の理由
当期の支払家賃から翌期分を除きます。
間違えやすいポイント
問題文の「支払家賃として処理済み」「翌期分24,000円」がポイント! 支払済みでも翌期分を当期の費用に残すと、支払家賃が多くなります。借方の前払費用24,000円に振り替え、貸方の支払家賃24,000円を減らします。支払いは記帳済みなので普通預金は動かしません。
こぐまさん:「翌期分24,000円は、これから店舗を使える権利として残るんだね。」
ペンリー:「その分を前払費用へ振り替えよう。今回は返金を受けたのではないから、現金や預金は増やさないよ。」
問11 自社振出小切手の受取り
問題:得意先から売掛金112,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。
こぐまさん:「小切手を受け取ったから、現金を増やせばいいのかな?」
ペンリー:「以前に自社が振り出した小切手が戻った場合は違うよ。振り出したときの当座預金の減少を取り消すんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 112,000 | 売掛金 | 112,000 |
今回は、得意先から売掛金112,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。
借方の理由
自社振出小切手が戻ったため、当座預金の減少を取り消します。
貸方の理由
回収した売掛金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「以前に当社が振り出した小切手」がポイント! 小切手を受け取っただけで現金を増やしがちですが、自社振出しの小切手が戻ってきた取引です。借方の当座預金112,000円を増やし、回収した売掛金112,000円を貸方で減らします。
こぐまさん:「銀行で支払われなくなる112,000円を、当座預金へ戻すんだね。」
ペンリー:「売掛金もその小切手で回収済みになるので、貸方で減らそう。小切手という名前だけでなく、誰が振り出したかを見るんだね。」
問12 他社振出小切手の受取り
問題:得意先から売掛金144,000円の支払いとして、他社が振り出した小切手を受け取った。
こぐまさん:「自社の小切手が戻った問11と、同じ処理でいいのかな?」
ペンリー:「今回は他社が振り出した小切手を受け取っているよ。手元では簿記上の現金として扱うんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 144,000 | 売掛金 | 144,000 |
今回は、得意先から売掛金144,000円の支払いとして、他社が振り出した小切手を受け取った。
借方の理由
他社振出小切手は手元では現金として扱います。
貸方の理由
回収した売掛金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「他社が振り出した小切手」がポイント! 小切手を見て当座預金を増やしたくなりますが、他社振出しの小切手は簿記上の現金です。借方の現金144,000円を増やし、回収した売掛金144,000円を貸方で減らします。
こぐまさん:「当社の口座へ入金されたわけではないから、144,000円はまず現金なんだね。」
ペンリー:「問11と違い、当社が以前減らした当座預金を戻す取引ではないんだ。回収した売掛金を減らす点は共通しているよ。」
問13 掛け仕入れと現金払いの引取運賃
問題:商品200,000円を掛けで仕入れた。引取運賃10,000円は当社が現金で負担した。これらをまとめて仕訳しなさい。
こぐまさん:「運賃を現金で払ったなら、運賃は仕入と別の費用にするのかな?」
ペンリー:「今回は仕入れのために当社が負担した引取運賃だよ。商品代金に加えて、仕入原価に含めよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 210,000 | 買掛金 | 200,000 |
| 現金 | 10,000 |
今回は、商品200,000円を掛けで仕入れた。引取運賃10,000円は当社が現金で負担した。これらをまとめて仕訳しなさい。
借方の理由
当社負担の引取運賃を商品代金に加え、仕入原価に含めます。
貸方の理由
商品代金は買掛金、運賃の支払いは現金で記録します。
間違えやすいポイント
問題文の「引取運賃10,000円は当社が現金で負担」がポイント! 運賃を別の費用にしがちですが、仕入時に当社が負担した引取運賃は仕入原価に含めます。借方の仕入は商品代金200,000円+引取運賃10,000円=210,000円です。貸方は商品代金の買掛金200,000円と運賃を払った現金10,000円に分けます。
こぐまさん:「仕入は合計210,000円だけれど、その全額が掛けではないんだね。」
ペンリー:「商品代金200,000円は買掛金、運賃10,000円は現金に分けよう。原価に含めることと、支払い方は別に確認するんだ。」
問14 前受金を充当した商品引渡し
問題:商品300,000円を引き渡した。注文時に受け取って前受金に計上した手付金40,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
こぐまさん:「商品を渡した代金300,000円は、全部を売掛金にするのかな?」
ペンリー:「注文時にもらった40,000円を代金に充てるよ。まだ受け取っていない残額だけが売掛金だね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前受金 | 40,000 | 売上 | 300,000 |
| 売掛金 | 260,000 |
今回は、商品300,000円を引き渡した。注文時に受け取って前受金に計上した手付金40,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
借方の理由
受領済みの前受金を取り崩し、残額を売掛金にします。
貸方の理由
引き渡した商品の代金全額を売上にします。
間違えやすいポイント
問題文の「注文時に受け取って前受金に計上した」がポイント! 手付金をもう一度現金で受け取ったり、商品代金の全額を売掛金にしたりしないようにします。商品を引き渡したので貸方の売上は300,000円。借方は記帳済みの前受金40,000円を取り崩し、掛けにした残額300,000円-40,000円=260,000円を売掛金にします。
こぐまさん:「前受金を取り崩し、残りの260,000円を売掛金にするんだね。」
ペンリー:「売上は内金を含む300,000円全額だよ。前受金の取崩しを、今回の現金の受取りと混同しないようにしよう。」
問15 前払金を充当した商品受取り
問題:商品260,000円を受け取った。注文時に支払って前払金に計上した手付金60,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
こぐまさん:「内金を引いてから、残額の200,000円を仕入にするのかな?」
ペンリー:「仕入は受け取った商品代金260,000円の全額だよ。先に払った内金も、その商品の代金に含まれているんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 260,000 | 前払金 | 60,000 |
| 買掛金 | 200,000 |
今回は、商品260,000円を受け取った。注文時に支払って前払金に計上した手付金60,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
借方の理由
受け取った商品の代金全額を仕入にします。
貸方の理由
支払済みの前払金を取り崩し、残額を買掛金にします。
間違えやすいポイント
問題文の「注文時に支払って前払金に計上した」がポイント! 手付金をもう一度現金で支払う仕訳は不要です。商品を受け取ったので借方の仕入は260,000円。貸方で記帳済みの前払金60,000円を取り崩し、掛けにした残額260,000円-60,000円=200,000円を買掛金にします。
こぐまさん:「前に払った60,000円は、現金ではなく前払金から取り崩すんだね。」
ペンリー:「まだ払っていない200,000円だけを買掛金にしよう。仕入の総額と、今後支払う残額を区別するんだね。」
もう一度、自分で仕訳してみよう
こぐまさん:「今度は表を見ずに、貸倒引当金の差額補充を説明してみるよ。」
ペンリー:「科目と金額を決めたら、借方・貸方にした理由も一言添えてみよう。」
確認問題:決算で、貸倒引当金の必要額を15,000円と見積もった。貸倒引当金の貸方残高は8,000円あり、差額補充法で処理する。
紙に仕訳を書いてから、次の答えと照合してください。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金繰入 | 7,000 | 貸倒引当金 | 7,000 |
今回は、決算で、貸倒引当金の必要額を15,000円と見積もった。貸倒引当金の貸方残高は8,000円あり、差額補充法で処理する。 問1の詳しい理由へ戻る。
エピローグ:理由を言えた問題から、次へ
こぐまさん:「引当金は追加後の残高、小口現金は報告と補給の両方を確認すると、答えの意味が分かるね。」
ペンリー:「仕訳に書く額と、取引後に残る額を区別して考えられたね。」
こぐまさん:「電子記録に切り替えるだけの問題も、お金が動いたとは決めないようにするよ。」
ペンリー:「権利や義務の形が変わったのか、代金を受け渡したのかを最後に確かめよう。」
第30回の復習メモ
こぐまさん:「次に解くときは、この三つを確かめるよ。」
- 差額補充法では、必要額から既存の貸方残高を引いて追加額を求める。
- 小口現金は支払報告と補給の有無を読み分け、まとめる場合は増減を相殺する。
- 債権・債務の切替えや決算整理で、記帳済みの売上・仕入・入出金を重複させない。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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