
受験年度に注意:このページの紙の手形・小切手を使う例題は、2026年度までの出題区分表に沿った演習です。2027年度からの範囲は確定版の変更点で確認してください。
模試第29回の第1問は、何が起きた取引かを確認してから、増減する科目と金額を決めると整理できます。この記事では全15問について、問題文、正解仕訳、借方・貸方の理由を順に確認します。今回は仮払金と仮受金・現金過不足・給料・返品が復習の中心です。
こぐま商会の経理日誌:第29回を振り返る
こぐま商会の閉店後。こぐまさんは第29回の解答を机に広げ、正解した問題にも、科目を選んだ理由を一言ずつ添えることにしました。
こぐまさん:「入金の理由が分かったときも、普通預金を増やせばいいと思っていたよ。」
ペンリー:「入金自体を記帳済みなら、もう一度増やす必要はないね。今回は何が新しく分かったのかを見てみよう。」
こぐまさん:「仮受金や現金過不足を、本来の内容へ振り替える場面なんだね。」
ペンリー:「その前に何を記録したかまで確かめよう。精算や返品でも、元の仕訳が判断の手掛かりになるよ。」
仕訳を決める三つの確認
こぐまさん:「似た名前の科目で迷ったら、何から見ればいいかな?」
ペンリー:「何の代金か、もう記帳しているか、実際に何を受け渡したかを確かめよう。」
| 確認すること | 問題文で探す条件 | 仕訳へのつながり |
|---|---|---|
| 取引の内容 | 商品・自社用備品・借入れ・出資など | 売上、備品、借入金、資本金を区別する |
| 記録した時点 | 未記帳・処理済み・回収・精算など | 新規の費用計上か、既存の科目の取崩しかを決める |
| 今回の受渡し | 現金・普通預金・当座預金・後払いなど | 実際に動いた資産や残った債権・債務を記録する |
入金と売上、支払いと費用は、いつも同時に起きるとは限りません。 まず自分で問題を読み、答えを考えてから仕訳表を確認してみてください。
問1 未使用の収入印紙の振替
問題:決算で、購入時に租税公課として処理した収入印紙8,000円分が未使用であることが分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
こぐまさん:「収入印紙は買ったときに租税公課にしているのに、決算でやり直すの?」
ペンリー:「今回はまだ使っていない分が残っているね。その分を当期の費用から外して、貯蔵品という資産に移すんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 8,000 | 租税公課 | 8,000 |
今回は、決算で、購入時に租税公課として処理した収入印紙8,000円分が未使用であることが分かった。必要な振替仕訳をしなさい。
借方の理由
未使用の収入印紙を、決算時には貯蔵品として残します。
貸方の理由
購入時に費用計上した租税公課を未使用分だけ減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「購入時に租税公課として処理」「未使用」がポイント! 未使用なのに租税公課のままにすると、まだ使っていない印紙まで当期の費用になります。決算では借方:貯蔵品8,000円/貸方:租税公課8,000円に振り替え、購入時に借方計上した租税公課を減らします。現金を支払ったのは購入時なので、今回は現金を動かしません。
こぐまさん:「切手が残ったときと同じように考えればいいのかな?」
ペンリー:「未使用分を貯蔵品にする点は同じだよ。減らす費用は購入時の記録に合わせ、今回は通信費ではなく租税公課だね。」
問2 土地の購入手数料を取得原価へ
問題:営業所用の土地1,000,000円を購入し、不動産会社への購入手数料30,000円とともに当社振出しの小切手で支払った。
こぐまさん:「土地を買う手数料は、支払手数料という費用にすればいいのかな?」
ペンリー:「今回は土地の取得に直接かかった購入手数料だよ。その土地を取得するための原価に含めよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 土地 | 1,030,000 | 当座預金 | 1,030,000 |
今回は、営業所用の土地1,000,000円を購入し、不動産会社への購入手数料30,000円とともに当社振出しの小切手で支払った。
借方の理由
土地代金に取得に直接かかった購入手数料を加えます。
貸方の理由
土地代金と購入手数料を合わせた小切手の支払額だけ、当座預金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「不動産会社への購入手数料30,000円とともに」がポイント! ここを読み落とすと、借方:土地1,000,000円/貸方:当座預金30,000円と書いてしまいがちです。「ともに」は土地代金と購入手数料の両方を小切手で支払ったという意味です。したがって、貸方の当座預金は土地代金1,000,000円+購入手数料30,000円=1,030,000円です。購入手数料は土地の取得に直接かかった費用として取得原価に含めるため、借方の土地も同じ1,030,000円で計上します。
こぐまさん:「土地代1,000,000円に30,000円を足して、土地は1,030,000円なんだね。」
ペンリー:「支払いは当社振出しの小切手なので、減るのは当座預金だよ。購入原価と支払方法を、それぞれ確かめよう。」
問3 前期に貸倒処理した債権の回収
問題:前期に貸倒れとして処理した売掛金24,000円を、得意先から現金で回収した。
こぐまさん:「前に売った代金を回収したから、売掛金を減らすのかな?」
ペンリー:「この売掛金は、前期に貸倒れとして処理したときに消しているよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 24,000 | 償却債権取立益 | 24,000 |
今回は、前期に貸倒れとして処理した売掛金24,000円を、得意先から現金で回収した。
借方の理由
現金を受け取ったので増やします。
貸方の理由
前期に消した債権の回収は償却債権取立益にします。
間違えやすいポイント
問題文の「前期に貸倒れとして処理した」がポイント! 回収した売掛金をもう一度貸方で減らしたくなりますが、この債権は前期に帳簿から消しています。現金を受け取ったので借方は現金24,000円、回収額は貸方の償却債権取立益24,000円です。
こぐまさん:「今の帳簿にない売掛金を減らすのではなく、今回の回収を収益にするんだね。」
ペンリー:「その収益が償却債権取立益だよ。商品の販売は今回していないので、売上にも混ぜないようにしよう。」
問4 出張の仮払金精算と残金返金
問題:従業員が出張から戻り、出張前に仮払金として渡した15,000円を精算した。旅費交通費は13,000円で、残り2,000円は現金で返してもらった。
こぐまさん:「実際の旅費が13,000円だったから、仮払金も13,000円だけ減らすの?」
ペンリー:「精算するのは出張前に渡した15,000円全額だよ。使った分と、現金で返してもらった分に分けてみよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 13,000 | 仮払金 | 15,000 |
| 現金 | 2,000 |
今回は、従業員が出張から戻り、出張前に仮払金として渡した15,000円を精算した。旅費交通費は13,000円で、残り2,000円は現金で返してもらった。
借方の理由
実際に使った分を旅費交通費にし、使わなかった分の返金を現金にします。
貸方の理由
出張前に渡していた仮払金を全額取り崩します。
間違えやすいポイント
問題文の「出張前に仮払金として渡した」がポイント! 旅費をもう一度現金で支払った仕訳にすると、支払いを二重に記録してしまいます。精算時には貸方の仮払金15,000円を消し、借方に実際の旅費交通費13,000円と、残額15,000円-13,000円=2,000円の現金を記入します。
こぐまさん:「残り2,000円は費用ではなく、会社へ戻った現金なんだね。」
ペンリー:「旅費交通費13,000円と現金2,000円で、仮払金15,000円を全額取り崩せるよ。」
問5 現金超過の原因が売掛金回収と判明
問題:以前、現金6,000円の超過を現金過不足(貸方)として処理した。その後、売掛金6,000円を現金で回収したときの記帳漏れが原因と分かった。
こぐまさん:「売掛金を現金で回収したと分かったなら、今ここで現金を増やすのかな?」
ペンリー:「現金の超過を発見したときに、現金はもう増やしているよ。今回はその理由が分かった場面なんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金過不足 | 6,000 | 売掛金 | 6,000 |
今回は、以前、現金6,000円の超過を現金過不足(貸方)として処理した。その後、売掛金6,000円を現金で回収したときの記帳漏れが原因と分かった。
借方の理由
超過発見時に貸方計上した現金過不足を消します。
貸方の理由
原因と分かった回収済みの売掛金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「以前、現金6,000円の超過を現金過不足(貸方)として処理した」がポイント! 「現金で回収した」だけを見て、借方:現金6,000円/貸方:売掛金6,000円と書きたくなります。しかし、超過が分かった時点で借方:現金6,000円/貸方:現金過不足6,000円を記帳済みです。今回は超過の原因が売掛金の回収だと分かったので、借方:現金過不足6,000円/貸方:売掛金6,000円に振り替えます。
こぐまさん:「では、貸方に残っている現金過不足を消せばいいんだね。」
ペンリー:「借方で現金過不足を取り崩し、回収済みの売掛金を貸方で減らそう。雑益にするのは、原因不明のまま残った場合だよ。」
問6 理由が分からない入金
問題:普通預金口座に36,000円の入金があったが、振込人も入金の理由もまだ確認できない。
こぐまさん:「36,000円の入金は分かるのに、売上として記録できないの?」
ペンリー:「振込人も入金理由も不明だから、商品代金と決めることはまだできないよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 36,000 | 仮受金 | 36,000 |
今回は、普通預金口座に36,000円の入金があったが、振込人も入金の理由もまだ確認できない。
借方の理由
入金は確認できるので普通預金を増やします。
貸方の理由
入金理由が不明な間は仮受金として処理します。
間違えやすいポイント
問題文の「振込人も入金の理由もまだ確認できない」がポイント! 商品代金と決めつけて売掛金や売上を動かすことはできません。入金は確かなので借方の普通預金36,000円を増やし、理由が分かるまでは貸方の仮受金36,000円で受けます。
こぐまさん:「ただ、普通預金が増えた事実まで記録を待つ必要はないんだね。」
ペンリー:「増えた普通預金と、内容が分かるまでの仮受金を記録しよう。理由が判明したら仮受金を振り替えるよ。」
問7 仮受金の理由が売掛金回収と判明
問題:入金時に仮受金として処理した48,000円について、得意先の売掛金の支払いであると分かった。入金時の仕訳は済んでいる。
こぐまさん:「売掛金の回収だと分かったなら、普通預金を48,000円増やすのかな?」
ペンリー:「入金時の仕訳は済んでいるとあるね。預金の増加は、すでに普通預金と仮受金で記録しているよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仮受金 | 48,000 | 売掛金 | 48,000 |
今回は、入金時に仮受金として処理した48,000円について、得意先の売掛金の支払いであると分かった。入金時の仕訳は済んでいる。
借方の理由
入金時に計上した仮受金を取り崩します。
貸方の理由
入金理由と判明した売掛金の回収を記録します。
間違えやすいポイント
問題文の「入金時に仮受金として処理した」がポイント! 普通預金をもう一度増やすと入金を二重に記録してしまいます。売掛金の回収だと判明したので、借方の仮受金48,000円を取り崩し、貸方の売掛金48,000円を減らします。
こぐまさん:「今回は入金をもう一度書かず、仮受金の中身だけを確定するんだね。」
ペンリー:「だから借方で仮受金を消し、貸方で売掛金を減らそう。現金や預金を重ねて増やさないのが確認点だよ。」
問8 所得税と社会保険料を控除する給料
問題:従業員への給料260,000円から、所得税18,000円と社会保険料22,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。
こぐまさん:「給料260,000円からいろいろ引くと、費用にする金額も変わるのかな?」
ペンリー:「給料の費用は控除前の260,000円だよ。所得税と社会保険料は、本人に代わって預かる分として分けよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 給料 | 260,000 | 普通預金 | 220,000 |
| 所得税預り金 | 18,000 | ||
| 社会保険料預り金 | 22,000 |
今回は、従業員への給料260,000円から、所得税18,000円と社会保険料22,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。
借方の理由
控除前の給料総額を費用にします。
貸方の理由
振込額を普通預金から減らし、控除額は所得税預り金と社会保険料預り金にします。
間違えやすいポイント
問題文の「給料260,000円から所得税と社会保険料を差し引き」がポイント! 振込額だけを給料にすると費用が少なくなります。借方の給料は差引前の260,000円、振込額は260,000円-所得税18,000円-社会保険料22,000円=220,000円です。貸方は普通預金220,000円と、差し引いた所得税預り金18,000円・社会保険料預り金22,000円に分けます。
こぐまさん:「従業員へ振り込む220,000円だけを、普通預金から減らすんだね。」
ペンリー:「控除した18,000円と22,000円を足すと、給料総額に戻るよ。会社負担の社会保険料を今回の仕訳に加えないことも確かめよう。」
問9 所得税預り金の納付
問題:先月、従業員の給料から差し引いて所得税預り金に計上した18,000円を、普通預金から税務署に納付した。
こぐまさん:「所得税を税務署へ納めたら、会社の税金の費用にするのかな?」
ペンリー:「今回納めるのは、先月の給料から預かっていた従業員の所得税だよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 所得税預り金 | 18,000 | 普通預金 | 18,000 |
今回は、先月、従業員の給料から差し引いて所得税預り金に計上した18,000円を、普通預金から税務署に納付した。
借方の理由
先月、給料から控除して計上した所得税預り金を取り崩します。
貸方の理由
税務署への納付で普通預金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「先月、所得税預り金に計上した」がポイント! 税務署への納付でも会社の租税公課ではなく、従業員から預かった税金を渡す取引です。借方の所得税預り金18,000円を取り崩し、支払った貸方の普通預金18,000円を減らします。
こぐまさん:「会社が新しく税金を負担したのではなく、預かったお金を渡すんだね。」
ペンリー:「だから所得税預り金を借方で減らすんだ。納付元は普通預金なので、そこも現金と取り違えないようにしよう。」
問10 従業員個人の代金の立替え
問題:従業員個人が負担すべき代金12,000円を、会社の普通預金から一時的に支払い、後日その従業員から返してもらうことにした。
こぐまさん:「従業員のために払った代金なら、会社の費用でいいのかな?」
ペンリー:「本人が負担すべき代金を、会社が一時的に払っているよ。あとで返してもらうから、費用にはしないんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 従業員立替金 | 12,000 | 普通預金 | 12,000 |
今回は、従業員個人が負担すべき代金12,000円を、会社の普通預金から一時的に支払い、後日その従業員から返してもらうことにした。
借方の理由
従業員から後で返してもらう権利を従業員立替金にします。
貸方の理由
会社が一時的に支払った普通預金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「従業員個人が負担すべき」「後日返してもらう」がポイント! 会社の給料や費用にしがちですが、会社が一時的に代金を立て替えています。返してもらう権利を借方の従業員立替金12,000円に記録し、支払った貸方の普通預金12,000円を減らします。
こぐまさん:「概算の出張旅費を渡す仮払金とも違うの?」
ペンリー:「今回は本人の負担する代金が分かっているので、従業員立替金にしよう。未確定の業務費用を概算で渡す場面とは分けるよ。」
問11 出張前に渡す概算旅費
問題:来週出張する従業員に、旅費の概算額25,000円を普通預金口座から振り込んだ。実際にかかる旅費はまだ分からない。
こぐまさん:「旅費として渡すのだから、もう旅費交通費にすればいいのかな?」
ペンリー:「今回は出張前の概算払いで、実際の旅費はまだ分からないね。精算まで仮払金としておくんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仮払金 | 25,000 | 普通預金 | 25,000 |
今回は、来週出張する従業員に、旅費の概算額25,000円を普通預金口座から振り込んだ。実際にかかる旅費はまだ分からない。
借方の理由
旅費は未確定なので、精算まで仮払金とします。
貸方の理由
従業員に振り込んだ普通預金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「来週出張」「実際にかかる旅費はまだ分からない」がポイント! 渡した時点で旅費交通費にすると、未確定の費用を計上してしまいます。出張後に精算するまで借方の仮払金25,000円とし、渡した分の貸方の普通預金25,000円を減らします。
こぐまさん:「従業員に渡したというだけで、給料や従業員立替金にはしないんだね。」
ペンリー:「会社の出張費を概算で前渡しした、という目的で判断しよう。帰ってから領収書や返金を確かめて精算するよ。」
問12 振込手数料を控除した売掛金回収
問題:売掛金100,000円の回収にあたり、当社負担の振込手数料500円を差し引いた99,500円が普通預金に入金された。
こぐまさん:「入金が99,500円だから、売掛金も同じ額だけ減らすのかな?」
ペンリー:「売掛金100,000円のうち、500円は当社負担の振込手数料として差し引かれているよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 99,500 | 売掛金 | 100,000 |
| 支払手数料 | 500 |
今回は、売掛金100,000円の回収にあたり、当社負担の振込手数料500円を差し引いた99,500円が普通預金に入金された。
借方の理由
手数料控除後の実入金額を普通預金に、当社負担の手数料を支払手数料にします。
貸方の理由
手数料を含む売掛金の総額を回収済みとして消します。
間違えやすいポイント
問題文の「当社負担の振込手数料500円を差し引いた」がポイント! 入金額99,500円だけ売掛金を減らすと、手数料分が未回収のまま残ってしまいます。99,500円+手数料500円=100,000円の売掛金を貸方で全額減らし、借方に実際の普通預金99,500円と当社負担の支払手数料500円を記入します。
こぐまさん:「差額500円を未回収の売掛金として残すわけではないんだね。」
ペンリー:「回収済みの売掛金は100,000円全額を減らそう。借方を普通預金99,500円と支払手数料500円に分ければ一致するよ。」
問13 掛け仕入れの返品
問題:先週掛けで仕入れた商品42,000円分に品違いがあったため、仕入先に返品し、買掛金から差し引いてもらった。
こぐまさん:「商品を返品したから、現金を返してもらう仕訳かな?」
ペンリー:「まだ代金を払っていない掛け仕入れだね。今回は現金の返金ではなく、買掛金から差し引いてもらうよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 42,000 | 仕入 | 42,000 |
今回は、先週掛けで仕入れた商品42,000円分に品違いがあったため、仕入先に返品し、買掛金から差し引いてもらった。
借方の理由
返品分だけ仕入先への買掛金を減らします。
貸方の理由
返品した商品の仕入を取り消します。
間違えやすいポイント
問題文の「買掛金から差し引いてもらった」がポイント! 返品代金を現金で受け取ったものとして、借方に現金を書くと支払方法を読み違えています。掛け仕入れの返品なので、仕入時の仕訳を取り消す向きで借方:買掛金42,000円/貸方:仕入42,000円とします。
こぐまさん:「仕入れたときの仕入と買掛金を、反対向きに取り消すんだね。」
ペンリー:「返品した42,000円分だけ、借方で買掛金を減らし、貸方で仕入を減らそう。」
問14 掛け売上の返品
問題:先週掛けで販売した商品54,000円分が、得意先から返品された。代金はまだ受け取っておらず、返品額を売掛金から差し引くことにした。
こぐまさん:「返品された商品の代金は、現金を減らして返すのかな?」
ペンリー:「この商品の代金は、まだ受け取っていないよ。現金で返金する代わりに、売掛金を減らすんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 54,000 | 売掛金 | 54,000 |
今回は、先週掛けで販売した商品54,000円分が、得意先から返品された。代金はまだ受け取っておらず、返品額を売掛金から差し引くことにした。
借方の理由
返品された商品の売上を取り消します。
貸方の理由
まだ回収していない売掛金を返品分だけ減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「代金はまだ受け取っていない」がポイント! 返品代金を現金で返したものとして貸方に現金を書くと、行っていない返金を記帳してしまいます。掛け売上の返品なので、販売時の仕訳を取り消す向きで借方:売上54,000円/貸方:売掛金54,000円とします。
こぐまさん:「販売時に記録した売上も、返品分を取り消す必要があるんだね。」
ペンリー:「借方の売上と貸方の売掛金で54,000円分を取り消そう。仕入返品と、どちらの売買を取り消すかを比べてみるといいよ。」
問15 貸倒引当金が不足する貸倒れ
問題:前期に販売した商品の売掛金30,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は20,000円で、この売掛金に充当できる。
こぐまさん:「前期の売掛金30,000円が貸し倒れたから、引当金を30,000円使うのかな?」
ペンリー:「使える貸倒引当金は20,000円までだよ。残高を超えて取り崩すことはできないんだ。」
こぐまさん:「不足の10,000円は、どこで処理するの?」
ペンリー:「その分を貸倒損失にしよう。貸倒引当金20,000円と貸倒損失10,000円で、売掛金30,000円全額を取り崩すよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 20,000 | 売掛金 | 30,000 |
| 貸倒損失 | 10,000 |
今回は、前期に販売した商品の売掛金30,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は20,000円で、この売掛金に充当できる。
借方の理由
使える貸倒引当金を取り崩し、足りない分を貸倒損失にします。
貸方の理由
貸し倒れた売掛金の全額を消します。
間違えやすいポイント
問題文の「前期の売掛金30,000円」と「貸倒引当金の残高20,000円」がポイント! 貸倒額の全額を引当金で処理すると、残高を超えてしまいます。借方の貸倒引当金20,000円を使い、不足する30,000円-20,000円=10,000円を借方の貸倒損失に計上します。貸方の売掛金30,000円を全額減らします。
こぐまさん:「前期の売掛金かを見てから、引当金がいくら使えるかも確かめるんだね。」
もう一度、自分で仕訳してみよう
こぐまさん:「今度は表を見ずに、出張の仮払金精算と残金返金を説明してみるよ。」
ペンリー:「科目と金額を決めたら、借方・貸方にした理由も一言添えてみよう。」
確認問題:従業員が出張から戻り、出張前に仮払金として渡した15,000円を精算した。旅費交通費は13,000円で、残り2,000円は現金で返してもらった。
紙に仕訳を書いてから、次の答えと照合してください。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 13,000 | 仮払金 | 15,000 |
| 現金 | 2,000 |
今回は、従業員が出張から戻り、出張前に仮払金として渡した15,000円を精算した。旅費交通費は13,000円で、残り2,000円は現金で返してもらった。 問4の詳しい理由へ戻る。
エピローグ:理由を言えた問題から、次へ
こぐまさん:「記帳済みの入金を重ねて増やしたり、払っていない代金を現金で返したりしそうになっていたよ。」
ペンリー:「今回実際に動いたお金と、帳簿の内容を直すだけの部分を分けられたね。」
こぐまさん:「次は『未払い』『入金時の仕訳は済み』という条件を先に探してみるよ。」
ペンリー:「その条件が分かると、仮の科目を消す向きや、返品で取り消す科目も確かめやすいよ。」
第29回の復習メモ
こぐまさん:「次に解くときは、この三つを確かめるよ。」
- 仮受金・現金過不足の原因が判明したときは、入出金を二重に記録しない。
- 出張精算は使った額と戻った額に分け、仮払金を全額精算する。
- 掛け売買の返品は未決済の債権・債務を減らし、貸倒れは引当金の不足も確認する。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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【簿記3級】模試第6回・第1問の解説|全15問の仕訳と考え方について、簿記3級模試第6回の第1問全15問を解説。掛け取引・出資・借入れ・前払いを中心に、問題文どおりの金額で正解仕訳を示し、借方・貸方にその科目を使う理由と間違えやすい条件を確認します。 簿記3級の試験対策として、出題されやすい論点や仕訳の考え方、解き方。




