
【簿記3級】償却債権取立益とは?仕訳と売掛金で処理しない理由を解説
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閉店後のこぐま商会に、以前の取引先から思いがけない入金がありました。その売掛金は、前期に回収不能として貸倒処理を済ませています。
こぐまさん:「帳簿から消したはずの売掛金が、普通預金に入っているね。」
ミーヤ:「あきらめていた代金が戻ってきたんだ!」
ペンリー:「前期以前に貸倒処理した債権の回収だから、償却債権取立益を使う。」
償却債権取立益は、前期以前に貸倒れとして処理した売掛金などを、あとから回収したときに使う収益の勘定科目です。すでに売掛金は帳簿から消えているため、回収時は売掛金を減らさず、受け取った現金や預金の相手科目を償却債権取立益にします。
【こぐまTips:償却債権取立益とは?】
償却債権取立益を使うかどうかは、入金前の債権が帳簿に残っていたかで判断します。
こぐまさん:「同じ売掛代金の回収でも、過去の処理を確かめる必要があるね。」
ペンリー:「判断軸はひとつ。すでに貸倒処理して帳簿から消した債権かどうかだ。」
| 回収前の状態 | 回収時の貸方 | 理由 |
|---|---|---|
| 前期以前に貸倒処理済み | 償却債権取立益 | 売掛金は帳簿に残っていない |
| 通常の売掛金として残っている | 売掛金 | 回収によって売掛金が減る |
| 貸倒れを見積もっただけ | 売掛金 | 債権自体はまだ帳簿に残っている |
問題文に**「前期に貸倒れとして処理した」「過年度に償却済み」**とあれば、償却債権取立益を考えます。単に「売掛金を回収した」とあるだけなら、通常は売掛金の回収です。
こぐま商会ではどう仕訳する?
例1:普通預金に振り込まれた
前期に貸倒処理した売掛金20,000円が、普通預金に振り込まれました。
ミーヤ:「預金が増えるから、借方は普通預金だね。」
こぐまさん:「貸方は売掛金ではなく、償却債権取立益にするよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 20,000 | 償却債権取立益 | 20,000 |
借方には実際に増えた資産、貸方には償却債権取立益を記録します。
ペンリー:「回収方法が預金なら、借方は普通預金になる。」
例2:現金で一部だけ回収した
前期に全額を貸倒処理した売掛金30,000円のうち、8,000円だけを現金で回収しました。
こぐまさん:「一部だけ戻った場合も、回収できた8,000円を仕訳すればいいね。」
ミーヤ:「借方は現金、貸方は償却債権取立益だ!」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 8,000 | 償却債権取立益 | 8,000 |
回収できなかった残額をあらためて仕訳する必要はありません。実際に回収した金額だけを記録します。
ペンリー:「全額回収か一部回収かにかかわらず、仕訳するのは戻ってきた金額だ。」
なぜ売掛金で処理しないの?
貸倒処理をしたとき、**売掛金はすでに貸方へ記入され、帳簿から取り除かれています。**そのため、あとから回収したときに再び売掛金を貸方へ記入すると、存在しない売掛金をさらに減らすことになってしまいます。
ミーヤ:「売掛金をもう一度貸方に書くと、二重に減らすことになるんだね。」
こぐまさん:「だから、あとから生じた収益として記録するんだ。」
つまり、貸倒処理後の回収では売掛金を使わず、償却債権取立益を貸方にするのが結論です。
通常の回収と貸倒処理後の回収を並べると、違いがはっきりします。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 帳簿に残る売掛金の回収 | 現金・預金 | 売掛金 |
| 前期以前に貸倒処理した債権の回収 | 現金・預金 | 償却債権取立益 |
貸倒れが確定した時点の処理は、貸倒損失とはで続けて確認できます。
仕訳クイズ
ミーヤ:「今度は問題文の『前期に貸倒処理』を見落とさずに解いてみる!」
ペンリー:「入金方法と、回収前に債権が残っていたかを順に見よう。」
Q. 前期に貸倒処理した売掛金12,000円のうち、5,000円が当座預金に振り込まれた。仕訳は?
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 5,000 | 償却債権取立益 | 5,000 |
「前期に貸倒処理した」が勘定科目を決める合図です。一部回収なので、回収額5,000円だけを記録します。
最後に確かめたいこと
償却債権取立益は収益ですか?
はい、収益です。過去に帳簿から消した債権を回収したことで当期の資産が増えたため、償却債権取立益を貸方に記録します。
貸倒処理していない売掛金の回収にも使いますか?
使いません。帳簿に売掛金が残っているなら、貸方は売掛金です。
一部しか回収できないときはどうしますか?
回収できた金額だけを、現金や預金と償却債権取立益で仕訳します。
エピローグ
こぐまさん:「入金だけを見るのではなく、前期の帳簿まで確かめれば判断できるね。」
ミーヤ:「戻ってきた金額だけを収益にするのも覚えたよ。」
ペンリー:「過去に消した債権かどうか。それが分かれば仕訳は崩れない。」
まとめ
こぐまさん:「今日の判断軸を3つにまとめよう。」
- 償却債権取立益は、前期以前に貸倒処理した債権をあとから回収したときの収益
- 借方は現金・普通預金・当座預金など、実際に増えた資産
- 帳簿に売掛金が残っている通常の回収では、償却債権取立益を使わない
関連する勘定科目を体系で見直すなら、勘定科目一覧も活用してください。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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