日商簿記2級 · 商業簿記 · 2 / 7
有価証券の取得・期末評価
このページの目標:売買目的有価証券の取得原価と期末評価損益を計算できる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
こぐま商会は、値上がりしたら売るつもりで株式を買いました。買うための手数料も支払い、決算日には株価が変わっています。

こぐまさん手数料は、株式の金額に入れるの?

ペンリーこの売買目的の株式では、買うために必要だった手数料も含めるよ。その合計と、決算日の値段を比べよう。
この場面で使う言葉
- 売買目的有価証券
- 価格の変動で利益を得る目的で持つ株式など。持つ目的が違うと処理も変わる。
- 取得原価(しゅとくげんか)
- 手に入れるためにかかった金額。この例では株式の購入代金と購入手数料の合計。
- 時価(じか)
- その時点で市場で取引される値段。期末評価では決算日の値段を使う。
具体例で数字を追いかける
売買目的の株式を100,000円、購入手数料1,000円で取得。期末時価は108,000円でした。
なぜ、この計算になるの?
- 株式100,000円だけでなく、購入に必要な手数料1,000円も加えます。最初に記録する金額は101,000円です。
- 決算日の108,000円に合わせるには、記録を7,000円増やします。まだ売っていなくても、この保有目的では増加分を評価益にします。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 取得原価 | 100,000+1,000 | 101,000円 |
| 期末時価 | 問題文の時価 | 108,000円 |
| 評価益 | 108,000−101,000 | 7,000円 |
値上がりした7,000円だけ資産を増やし、同額の評価益を記録します。
| 借方科目 | 金額(円) | 貸方科目 | 金額(円) |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | 7,000 | 有価証券評価益 | 7,000 |
解き方と処理のルールを整理しよう
値動きを見る前に保有目的を確認し、評価差額の計上先を選ぶ。
有価証券は、売買目的、満期保有目的の債券、子会社・関連会社株式、その他有価証券など、保有目的によって扱いが異なります。まず問題文の保有目的を確認し、その後に取得原価・期末評価・利息を計算します。
売買目的有価証券は取得手数料などを取得原価に含め、期末には時価で評価します。帳簿価額との差額は有価証券評価損益として当期の損益に反映します。その他有価証券の評価差額などと混同しないようにしましょう。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
こぐまさんは株式と債券を同じ引き出しに入れ、期末時価へすべて直そうとしています。

こぐまさんの疑問同じ有価証券なら、値上がりは全部評価益でいい?

ペンリーと整理保有目的が先だよ。時価を使う場合でも、差額を損益へ入れるか純資産へ入れるかが違う。
- 1保有目的を読む
- 2取得原価と付随費用を確認
- 3目的別の期末評価を選ぶ
- 4差額の行き先と税効果を確認
保有目的ごとに評価の出口が違う
売買目的は時価評価し差額を当期の損益へ入れます。満期保有目的債券は、取得差額が金利調整と認められるとき償却原価法を用い、単純に時価へ置き換えません。子会社・関連会社株式は取得原価が基本です。
その他有価証券は、2級では全部純資産直入法で評価差額を純資産へ計上します。ここでは減損は扱わず、税効果の指定がある場合は差額から税効果を分けます。
| 目的 | 基本の評価 | 差額の扱い |
|---|---|---|
| 売買目的 | 時価 | 評価損益 |
| 満期保有・金利調整差額あり | 償却原価 | 有価証券利息等 |
| 子会社・関連会社株式 | 取得原価 | 通常の時価評価はしない |
| その他有価証券 | 時価 | その他有価証券評価差額金・税効果 |
同じ取得差額でも、年をまたぐ処理は異なる
額面100,000円の債券を96,000円で期首取得、満期まで4年、差額は全額金利調整、定額法なら、年1,000円ずつ帳簿価額へ加算します。1年目末は97,000円。利息の現金受取額とは別の調整です。
一方、取得原価100,000円のその他有価証券が120,000円へ値上がりし、実効税率30%なら、評価差額金14,000円と繰延税金負債6,000円に分かれます。評価益20,000円とはしません。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
その他有価証券20,000 | その他有価証券評価差額金14,000 | ||
| — | 繰延税金負債6,000 | ||
考え方を自分の答案にする
目的を見て評価方法を選ぶ
期首に満期保有目的債券(額面200,000円)を194,000円で取得。満期まで3年、差額は金利調整、定額法。受取利息の仕訳は別です。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。