日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 5 / 9
部門別原価計算
このページの目標:直接配賦法で補助部門費を製造部門に分けられる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
こぐま商会の工場には、品物を作るA・B部門と、電気を供給する動力部門があります。電気を使った割合に応じて、動力部門の費用をA・Bへ振り分けます。

こぐまさん電気を多く使う部門も、少ない部門も同じ負担?

ペンリーこの例は使用量で分けるので、多く使った部門が多く負担するよ。どの部門を配る相手に含めるかも、方法の指定で確かめよう。
この場面で使う言葉
- 製造部門・補助部門
- 製品を直接作る部門と、動力や修繕などで製造を支える部門。
- 用役(ようえき)
- 部門がほかの部門へ提供する働き。たとえば電力の供給や機械の修繕。
- 直接配賦法
- 補助部門の費用を製造部門だけへ振り分ける方法。補助部門同士のサービスは計算に含めない。
具体例で数字を追いかける
動力部門費60,000円を直接配賦法で配賦。使用量は製造A部門2,000kWh、製造B部門1,000kWh、修繕部門500kWhです。
なぜ、この計算になるの?
- 直接配賦法なので、配る相手は製造A・Bだけ。Aの2,000kWhとBの1,000kWhを合わせた3,000kWhを基準にします。
- Aは全体の3分の2を使ったので、60,000円の3分の2の40,000円を負担。残り20,000円をBへ配り、合計60,000円になることも確かめます。
| 配賦先 | 計算 | 配賦額 |
|---|---|---|
| 製造A部門 | 60,000×2,000÷3,000 | 40,000円 |
| 製造B部門 | 60,000×1,000÷3,000 | 20,000円 |
| 補助部門の修繕部門 | 直接配賦法では対象外 | 0円 |
分母は製造部門だけの3,000kWhです。修繕部門への500kWhを含めません。
解き方と処理のルールを整理しよう
補助部門費を製造部門へ配り、その後、部門別配賦率で製品へ配賦する。
部門別原価計算では、製造間接費を製造部門と補助部門に集計し、補助部門費を製造部門へ配賦した後、製造部門から製品へ配賦します。製品までの集計を二段階で追いましょう。
直接配賦法では、補助部門相互のサービスを無視し、製造部門だけの用役量の比率で配賦します。相互配賦法などは計算の順序や範囲が異なるので、指定された方法に合わせます。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
動力部門から修繕部門にも電力が送られています。こぐまさんは直接配賦の分母へ、その量も加えました。

こぐまさんの疑問全部の使用量で割る方が公平じゃない?

ペンリーと整理今回は直接配賦法だよ。補助部門同士への用役を除き、製造部門の使用量だけで割ろう。
- 1部門固有費と共通費を集計
- 2配賦法を確認
- 3補助部門から製造部門へ
- 4部門別の率で製品へ
補助部門の配賦で終わりではない
動力費60,000円をA:B=2:1で直接配賦すると、A40,000円、B20,000円。A固有費80,000円、B固有費40,000円なら、配賦後の部門費はA120,000円、B60,000円です。
次にAの配賦基準が600時間、Bが200時間なら、Aは200円/時間、Bは300円/時間。注文XがA100時間・B50時間を使ったとき、Xへ配賦する原価は20,000+15,000=35,000円です。部門費と製品原価を区別しましょう。
| 項目 | A製造部門 | B製造部門 |
|---|---|---|
| 固有費 | 80,000 | 40,000 |
| 動力費の配賦 | 40,000 | 20,000 |
| 配賦後部門費 | 120,000 | 60,000 |
| 基準時間 | 600時間 | 200時間 |
| 部門別配賦率 | 200円/時間 | 300円/時間 |
相互配賦法との違い
相互配賦法は補助部門間のサービスも考慮します。直接配賦法と同じ比率をそのまま使うことはできません。簡便法など計算方法が指定される場合、その順序に従って補助部門間の配賦を行った後、製造部門への再配賦を進めます。
どの方法でも、最終的に製造部門へ配賦した補助部門費の合計と、配賦すべき費用総額を照合します。配賦の途中で補助部門へ配った額を、二重に最終負担額へ加えないようにします。
考え方を自分の答案にする
部門費から製品の負担額へ
直接配賦法。補助部門費90,000円を製造A:B=2:1へ配賦。A固有費120,000円、B固有費60,000円。配賦基準時間はA600時間・B200時間。注文XはA100時間とB50時間を使用しました。他の費用なし。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。