日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 4 / 9

個別原価計算

このページの目標:製造指図書別の原価を求め、完成・未完成を区別できる。

2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点

目次・問題へ移動する

まずは身近な場面から

こぐま商会の工場に、カートの注文Aと木製棚の注文Bが入りました。注文ごとに違う品物を作るので、材料や作業の費用も注文ごとに集めます。

こぐまさん

こぐまさん工場全体の費用を、注文数で半分ずつにする?

ペンリー

ペンリー直接分かる材料や作業の費用は、それぞれの注文へ集めよう。共通の費用だけ、決めた基準で振り分けるよ。

この場面で使う言葉

製造指図書(せいぞうさしずしょ)
何を作るかを指示し、その注文の原価を集計する単位となる書類。
直接費
その注文の分だと直接分かる材料費や作業賃金など。
配賦間接費
工場共通の費用などを、作業時間などの基準でその注文へ振り分けた金額。
ひとこと確認

まだ完成していない注文の原価は?

計算の前に、意味を確かめてみましょう。成績には含みません。選び直せます。

この考え方を、数字で確かめる

具体例で数字を追いかける

指図書Aは直接材料費50,000円、直接労務費30,000円、直接作業100時間。製造間接費は1時間200円で配賦。直接経費はなく、当月完成しました。

なぜ、この計算になるの?

  1. 注文Aに直接かかった材料50,000円と賃金30,000円を集めます。
  2. 共通費は1時間200円の指定なので、Aの100時間分は20,000円。三つを足した100,000円がAの製造原価です。Aは完成したので、作りかけから製品へ移します。
条件から求める金額・数量左右にスクロールできます
原価の内訳計算金額
直接材料費資料から集計50,000円
直接労務費資料から集計30,000円
製造間接費100×20020,000円
製造原価50,000+30,000+20,000100,000円

完成したので指図書Aの100,000円を仕掛品から製品へ振り替えます。

解き方と処理のルールを整理しよう

指図書ごとの原価を求め、完成・未完成・販売済みの状態で振替を選ぶ。

個別原価計算は、注文ごとに異なる製品を作る場合などに用います。製造指図書ごとに直接材料費・直接労務費・直接経費を集め、製造間接費を配賦して製造原価を計算します。

月末に完成した指図書の原価は製品へ振り替え、未完成の指図書は仕掛品に残します。完成品と仕掛品を分けて集計し、販売済みかどうかはさらに別に確認します。仕損費・作業屑がある問題では処理方法の指定も読みます。

2問で確かめよう

解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。

確認問題 1
円
確認問題 2
円

回答は学習履歴には保存されません。

入力方法を確認する

0以上の整数を、単位を付けずに入力してください。全角数字・3桁ごとのカンマにも対応しています。例:120000 または 120,000。

条件が変わったら、どう考える?

三つの注文の原価計算表ができ、こぐまさんは合計をすべて製品に振り替えました。

こぐまさん

こぐまさんの疑問今月集めた原価は、注文ごとに全部完成品にしていい?

ペンリー

ペンリーと整理完成した指図書を選ぼう。作りかけは仕掛品、完成しても未販売なら製品に残るよ。

  1. 1指図書ごとに直接費
  2. 2指定基準で間接費を配賦
  3. 3完成か未完成か
  4. 4完成と販売を別に集計

複数指図書の原価計算表を作る

間接費率200円/時間。Aは材料50,000・賃金30,000・100時間、Bは材料40,000・賃金20,000・50時間なら、A原価100,000円、B原価70,000円です。時間は直接労務費の金額とは別の資料です。

A完成・B未完成なら、製品100,000/仕掛品100,000。仕掛品70,000円が残ります。Aをまだ販売していなければ製品100,000円も資産に残ります。

指図書別原価計算表左右にスクロールできます
指図書材料費労務費配賦間接費合計状態
A50,00030,00020,000100,000完成・未販売
B40,00020,00010,00070,000未完成

仕損の補修費は指示に合わせて負担

正常仕損の補修費について、特定指図書へ賦課する指定ならその注文の原価へ加えます。Aの上記原価100,000円に正常補修費5,000円を賦課すれば、完成原価は105,000円です。

製造間接費として処理する指定なら、補修費を製造間接費へ集め配賦するため、特定注文へ直接加算する処理とは違います。仕損という言葉だけで負担先を決めず、補修指図書・負担方法を読みます。

考え方を自分の答案にする

注文ごとの完成・未完成を集計

期首仕掛品なし、直接経費なし。製造間接費率300円/時間。Aは材料40,000・直接賃金20,000・100時間、Bは材料30,000・直接賃金10,000・50時間。Aだけ完成・未販売、B未完成。仕損等なし。

数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。

Aの完成原価
円
考え始めるヒント

Aのとに、Aの作業時間で配賦する間接費を加えよう。

Bの期末仕掛品原価
円
考え始めるヒント

Bの状態は未完成でも、当月集まった・・間接費はに残るよ。

完成した指図書の振替

当月完成分だけを製品へ振り替えてください。

自分で仕訳を作る(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額
考え始めるヒント

完成した指図書だけを選び、からへ移そう。

回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。

対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。