日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 6 / 9
総合原価計算・完成品換算量
このページの目標:平均法で月末仕掛品の加工費を計算できる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
こぐま商会は、同じ品物をまとめて作っています。月末には完成品と作りかけが混ざるので、かかった原価を作業の進み具合に応じて分けます。

こぐまさん半分まで作った200個を、完成品200個と同じに数えていい?

ペンリー加工の作業量は、完成品100個分と考えよう。ただし、材料を最初に全部入れる場合、材料はすでに200個分入っているよ。
この場面で使う言葉
- 完成品換算量(かんせいひんかんさんりょう)
- 作りかけに行った作業を、完成品なら何個分かに直した数量。品物そのものの個数とは区別する。
- 加工費
- 材料を加工するための費用。直接労務費や製造間接費などをまとめたもの。
- 始点投入・平均法
- 始点投入は材料を工程の最初に全部入れる条件。平均法は月初と当月の原価を合わせて単価を求める方法。
200個に材料が全部入った → 材料は200個分
200個を半分まで加工 → 完成品なら100個分の作業
実物が100個に減ったのではなく、済んだ作業を完成品の個数に直しています。
具体例で数字を追いかける
平均法。完成品800個、月末仕掛品200個(加工進捗度50%)。月初原価と当月投入額の合計は材料費100,000円、加工費180,000円。材料は始点投入、仕損・減損なし。
なぜ、この計算になるの?
- 材料は最初に全部入れるので、完成800個と作りかけ200個の合計1,000個分が入っています。材料費100,000円を1,000個で分け、作りかけ200個分の20,000円を残します。
- 加工は作りかけ200個の半分までなので100個分。完成800個と合わせて900個分の作業に180,000円がかかり、1個分200円です。
- 作りかけの加工100個分は20,000円。材料20,000円と合わせて月末に40,000円を残し、総原価280,000円の残り240,000円を完成品へ移します。
| 区分 | 完成品換算量 | 月末仕掛品原価 |
|---|---|---|
| 材料費 | 800+200=1,000個 | 100,000÷1,000×200=20,000円 |
| 加工費 | 800+200×50%=900個 | 180,000÷900×100=20,000円 |
| 合計 | 材料と加工を別々に計算 | 40,000円 |
完成品原価は、原価合計280,000円から月末仕掛品40,000円を引いた240,000円です。
解き方と処理のルールを整理しよう
材料投入点と加工進捗度を区別し、原価要素ごとに完成品換算量を求める。
同じ製品を連続生産する場合、期間の原価を完成品と月末仕掛品に分けます。加工費は、仕掛品の数量に加工進捗度を掛けた完成品換算量を使います。材料を始点で全量投入する場合、材料費の換算量は実数量と同じです。
平均法では、月初仕掛品原価と当月投入原価を合計して単価を求めます。先入先出法では月初分と当月分を分けます。仕損・減損がある場合は発生点と負担方法で換算量が変わるため、先に数量のつじつまを確認します。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
月初から作りかけだったカートにも、こぐまさんは当月分の加工を最初から100%数えました。

こぐまさんの疑問完成品になったら、月初分も全部今月作った数にしていい?

ペンリーと整理平均法か先入先出法かで違うよ。先入先出法は、月初分を完成させる残りの加工だけを当月分に数える。
- 1数量のつじつま
- 2材料投入点と加工進捗度
- 3平均法か先入先出法か
- 4材料・加工を別に完成品と仕掛品へ
平均法と先入先出法を同じ条件で比較
月初仕掛品200個(加工50%)、当月投入800個、完成800個、月末200個(加工50%)。材料は始点投入、仕損なし。月初原価は材料20,000・加工10,000、当月投入は材料80,000・加工170,000円です。
平均法の加工換算量は800+200×50%=900個、合計加工費180,000円から単価200円。月末加工費20,000円、材料20,000円、月末原価40,000円です。先入先出法の当月加工量は月初残り100+当月着手完成600+月末100=800個、単価170,000÷800=212.5円、月末原価41,250円です。
| 項目 | 平均法 | 先入先出法 |
|---|---|---|
| 加工費の計算対象 | 月初+当月180,000 | 当月170,000 |
| 対応する加工換算量 | 900個 | 800個 |
| 加工単価 | 200円 | 212.5円 |
| 月末材料費 | 20,000 | 20,000 |
| 月末加工費 | 20,000 | 21,250 |
| 完成品原価 | 240,000 | 238,750 |
仕損・減損は発生点を先に確認
正常な仕損費を完成品だけが負担する条件と、完成品と月末仕掛品の両方が負担する条件では配分が変わります。月末仕掛品が仕損の発生点を通過しているかが判断材料になります。
たとえば終点で仕損が発生し、月末仕掛品が加工50%なら、月末分はその発生点に到達していません。数量の不足を勝手に完成品換算量へ加えるのでなく、発生点・正常異常・負担方法の指定を確認して別の原価計算表を作ります。
考え方を自分の答案にする
平均法で月末と完成品の原価を求める
平均法。完成600個、月末仕掛品200個(加工50%)。材料は始点で全量投入、仕損・減損なし。月初原価と当月投入額の合計は材料費80,000円・加工費140,000円。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。