日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 3 / 9

製造間接費・予定配賦

このページの目標:予定配賦額を計算し、配賦不足・配賦超過を判断できる。

2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点

目次・問題へ移動する

まずは身近な場面から

こぐま商会の工場では、カートと木製棚を作るために、共通の電気を使います。毎月の請求がそろう前にも製品原価を求めたいので、あらかじめ決めた率で電気代などを振り分けます。

こぐまさん

こぐまさん共通の費用は、製品ごとにどう分けるの?

ペンリー

ペンリーこの例では作業時間を使うよ。1時間に負担させる額を先に決め、実際に作業した時間を掛けよう。

この場面で使う言葉

製造間接費
工場にかかる費用のうち、どの製品の分かを直接たどれないもの。
配賦(はいふ)
共通の費用を、作業時間などの基準で各製品や部門へ振り分けること。
予定配賦率
予定した費用を予定した作業量で割った率。この例は1時間当たり何円を振り分けるかを表す。
ひとこと確認

予定配賦額と、実際に発生した費用は?

計算の前に、意味を確かめてみましょう。成績には含みません。選び直せます。

この考え方を、数字で確かめる

具体例で数字を追いかける

年間予定製造間接費1,200,000円、年間予定直接作業時間6,000時間。当月実際作業400時間、実際発生額86,000円。

なぜ、この計算になるの?

  1. 年間の予定費用1,200,000円を、予定の6,000時間で分けると、1時間の負担は200円です。
  2. 今月400時間作業したので、製品には200×400=80,000円を振り分けます。実際にかかった86,000円とは6,000円足りないため、差を別に整理します。
条件から求める金額・数量左右にスクロールできます
項目計算結果
予定配賦率1,200,000÷6,000200円/時間
予定配賦額200×40080,000円
配賦不足86,000−80,0006,000円

製品には予定額80,000円を集計し、実際との差6,000円は配賦差異として整理します。

この例の仕訳左右にスクロールできます
借方科目金額(円)貸方科目金額(円)
仕掛品80,000製造間接費80,000

解き方と処理のルールを整理しよう

実際発生と予定配賦を比較し、差異の分離と売上原価への振替を分ける。

工場の共通費用は、製造間接費へ集めて製品に配賦します。予定配賦では、年間の予定製造間接費を予定操業度で割った予定配賦率を使います。直接作業時間・機械運転時間など、配賦基準の単位を確認します。

当月の予定配賦額は、予定配賦率×当月の実際操業度です。実際発生額の方が大きければ配賦不足、小さければ配賦超過です。標準原価計算で標準時間を使う計算とは区別します。

2問で確かめよう

解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。

確認問題 1
円/時間
確認問題 2
円

回答は学習履歴には保存されません。

入力方法を確認する

0以上の整数を、単位を付けずに入力してください。全角数字・3桁ごとのカンマにも対応しています。例:120000 または 120,000。

条件が変わったら、どう考える?

月末の製造間接費勘定に6,000円の借方残高が残り、こぐまさんは製品へ追加配賦しようとしました。

こぐまさん

こぐまさんの疑問差が残ったから、全部の製品へ適当に足せばいい?

ペンリー

ペンリーと整理実際と予定の差だね。今回は配賦差異へ移し、指定された売上原価加減法で処理しよう。

  1. 1予定率の分母は予定操業度
  2. 2当月実際操業度へ予定率を掛ける
  3. 3実際発生と予定配賦を比較
  4. 4差異を閉じ処理先へ振替

製造間接費勘定の左右で不足を確認

実際発生額86,000円を借方、予定配賦額80,000円を貸方に集計すると、借方残高6,000円。製品へ配賦した額が足りず、不利な配賦不足です。製造間接費配賦差異6,000/製造間接費6,000で勘定を閉じます。

実際額が予定配賦額より小さい場合は配賦超過で、差異の方向も逆です。『不足』という語だけを暗記せず、何と何を比較したかを確認しましょう。

この条件の仕訳(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額

売上原価加減法で利益へ反映する

売上原価加減法の指定なら、不利差異6,000円は売上原価6,000/製造間接費配賦差異6,000として費用を増やします。有利な差異なら売上原価を減らします。

この処理は、当月の予定配賦額を後から計算し直すこととは別です。予定配賦・実際発生・差異処理の三つを分けて記録すると、各勘定がどこで閉じるか分かります。

差異の方向左右にスクロールできます
実際と予定配賦の比較差異売上原価加減法
実際>予定配賦不足・不利売上原価を増やす
実際<予定配賦超過・有利売上原価を減らす

考え方を自分の答案にする

配賦超過の方向を判断する

予定配賦率400円/時間、当月実際操業度200時間、実際発生額75,000円。差異は製造間接費配賦差異で処理し、売上原価加減法を用います。

数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。

当月の予定配賦額
円
考え始めるヒント

当月の実際時間に、決めてある予定配賦率を掛けよう。実際発生額は別の資料だよ。

差異の判断は?
考え始めるヒント

実際に発生した額より、へ配賦した額が多いか少ないかを比べよう。

配賦差異を売上原価へ振り替える

有利な配賦差異5,000円は既に差異勘定へ振替済み。その差異を閉じる仕訳を作ってください。

自分で仕訳を作る(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額
考え始めるヒント

差異勘定への振替は済んでいるよ。有利差異でを増やすか減らすか考えよう。

回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。

対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。