日商簿記2級 · 工業簿記を学ぶ · 7 / 9
標準原価計算・差異分析
このページの目標:材料費の価格差異と数量差異を計算できる。
2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点
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まずは身近な場面から
こぐま商会は、製品1個に使う材料の量と価格の目安を決めています。実際の材料費が増えたら、高く買ったのか、多く使ったのかを分けて調べます。

こぐまさん材料費が増えた、だけでは原因が分からない?

ペンリーそうだね。単価の違いと使用量の違いを分けよう。一方を決めた値にそろえると、それぞれの影響が見えるよ。
この場面で使う言葉
- 標準原価
- 製品1個に必要な量や価格をもとに、あらかじめ決めた原価。単なる実績の平均とは限らない。
- 価格差異・数量差異(かかくさい・すうりょうさい)
- 決めた単価と実際単価の違いによる影響と、決めた使用量と実際使用量の違いによる影響。
- 不利差異(ふりさい)
- 実際の原価が標準より多くかかった側の差。ここでは金額を正の数で答える。
具体例で数字を追いかける
当月の完成品100個。月初・月末の仕掛品はありません。1個当たり標準材料2kg、標準価格100円/kg。実際消費210kg、実際価格110円/kg。消費時に差異を分析します。
なぜ、この計算になるの?
- 100個を1個2kgで作る標準なので、標準の使用量は200kg。実際は210kgを1kg110円で使い、23,100円かかりました。
- 単価が10円高い影響は、実際に使った210kg全体に及ぶので2,100円。量が10kg多い影響は、単価を標準100円にそろえて1,000円です。
- 二つを足すと3,100円。実際23,100円と標準20,000円の差に一致します。高い単価を両方に使うと影響を重ねて数えてしまいます。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 標準消費量 | 100×2 | 200kg |
| 価格差異 | (100−110)×210 | 2,100円・不利 |
| 数量差異 | (200−210)×100 | 1,000円・不利 |
| 総差異 | 20,000−23,100 | 3,100円・不利 |
高く買った影響2,100円と、多く使った影響1,000円を分けると、改善する対象が分かります。
解き方と処理のルールを整理しよう
実際生産量に対応する標準量を使い、単価の差と数量・時間の差を分ける。
標準原価計算では、製品1個を作るために必要な標準単価・標準数量などを定め、実際にかかった原価との差を分析します。完成品数量や仕掛品の進捗度から、実際生産量に対応する標準消費量を先に求めます。
材料を消費時に分析する例では、価格差異は(標準価格−実際価格)×実際消費量、数量差異は(標準消費量−実際消費量)×標準価格です。この式ではプラスが有利、マイナスが不利です。解答欄が絶対額と有利・不利を別に求める場合は、その形式に従います。
2問で確かめよう
解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。
条件が変わったら、どう考える?
材料の使用量と作業時間がどちらも増え、こぐまさんは総差額だけを報告しました。

こぐまさんの疑問合計の損が分かれば、どこが原因かも分かる?

ペンリーと整理単価・使用量、賃率・作業時間を分けよう。間接費も予算と操業度と能率の違いを追うと、差の理由が見える。
- 1実際生産量に対する標準量
- 2価格・数量/賃率・時間を分解
- 3間接費の予算・操業度・能率
- 4差異の合計と総差額を照合
労務費も単価と数量の二つへ分解
標準賃率1,000円/時間、実際賃率1,100円、標準作業時間200時間、実際210時間なら、賃率差異は(1,000−1,100)×210=21,000円不利。時間差異は(200−210)×1,000=10,000円不利です。
合計31,000円不利は、標準200,000円と実際231,000円の差にも一致。実際の作業時間210時間をそのまま標準時間として使うと、能率の差が消えてしまいます。
| 原価要素 | 単価側の差異 | 数量側の差異 |
|---|---|---|
| 材料費(消費時分析) | 価格差×実際消費量 | 消費量差×標準価格 |
| 労務費 | 賃率差×実際時間 | 時間差×標準賃率 |
製造間接費の3分法も総差額と照合
変動費率300円・固定費率200円、基準操業度250時間、固定予算50,000円、標準時間200・実際時間210、実際発生116,000円とします。実際時間の変動予算は113,000円で、予算差異は3,000円不利です。
操業度差異は(210−250)×200=8,000円不利。能率差異を変動費・固定費合わせた率で計算する3分法では(200−210)×500=5,000円不利。合計16,000円不利は、標準配賦100,000円と実際116,000円との差に一致します。分解方法の指定が違う場合は式も変わります。
| 差異 | 計算 | 不利額 |
|---|---|---|
| 予算 | 113,000−116,000 | 3,000 |
| 操業度 | (210−250)×200 | 8,000 |
| 能率 | (200−210)×500 | 5,000 |
| 合計 | 100,000−116,000 | 16,000 |
考え方を自分の答案にする
作業時間から労務費差異を分解
標準賃率1,200円/時間、実際賃率1,250円/時間。実際生産量に対応する標準時間300時間、実際時間320時間。差異は絶対額で記入してください。
数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。
回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。
対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。