
【簿記3級】精算表で仕入返品と売上原価が出たときの順番|返品処理後にしーくりくりしー
2026年5月12日 に公開

返品を先に直してから、売上原価を計算する
こぐま商会の月末。棚卸表と精算表を並べたこぐまさんは、仕入返品のメモを見つけました。
精算表で「仕入返品が未処理」と「期末商品棚卸高」が同時に出たら、先に返品を処理して仕入を正しい金額にしてから、売上原価の決算整理をするのが基本です。返品を反映しないまま売上原価を計算すると、当期仕入高が多くなり、売上原価もずれてしまいます。
こぐまさん:「返品もあるし、期末商品もある。どっちから書けばいいんだろう?」
ミーヤ:「しーくりくりしーの前に、返品を混ぜていいの?」
セルヴィア:「まず仕入の数字を整えてまいりましょう。そのあとなら、決算書に載せる売上原価も落ち着いて見えてきますね。」
ペンリー:「順番は、未処理の修正、売上原価計算。この2段階だ。」
この記事では、精算表で迷いやすい「仕入返品」と「売上原価計算」のつなげ方を、簿記3級の範囲で整理します。
【こぐまTips:仕入返品と売上原価の順番】
ルヴィア監査官:「返品の証拠があるなら、ふふ、先に帳簿へ入れておきたいですね。」
こぐまさん:「未処理を残したまま、決算整理へ進まないんだね。」
精算表では、次の順番で見ます。
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 未処理の仕入返品を処理する | 仕入を正しい金額に直すため |
| 2 | 期首商品を仕入へ振り替える | 前期から残った商品を当期の売上原価計算に入れるため |
| 3 | 期末商品を繰越商品へ振り替える | 売れ残った商品を費用から外すため |
仕入返品は「商品を返した」取引です。掛けで仕入れていた商品を返品したなら、買掛金が減り、仕入も減ります。
売上原価は、次の考え方で計算します。
売上原価 = 期首商品 + 当期仕入高 - 期末商品
ここでいう当期仕入高は、返品などを反映した後の金額です。
こぐま商会ではどう仕訳する?
例題1:未処理の仕入返品を先に直す
こぐま商会は、掛けで仕入れた商品のうち4,200円を品違いのため返品していたが、まだ帳簿に記録していませんでした。
ミーヤ:「返品したなら、買掛金も減るよね?」
ルヴィア監査官:「ええ。仕入先へ払う義務も、仕入の金額も減りますね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 4,200 | 仕入 | 4,200 |
この仕訳で、掛けで仕入れた分の未払額が減ります。同時に、仕入も減ります。
ペンリー:「返品は売上原価計算の前に反映する。ここで仕入の土台を直す。」
例題2:返品処理後に売上原価を計算する
決算時点で、期首商品は42,000円、期末商品は58,000円でした。売上原価は仕入勘定で計算します。
こぐまさん:「返品を直したあとの仕入に、期首と期末を入れるんだね。」
セルヴィア:「はい。売れた分だけが費用として残るように整うと、少し安心できますね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 42,000 | 繰越商品 | 42,000 |
| 繰越商品 | 58,000 | 仕入 | 58,000 |
1行目は、期首商品を当期に販売できる商品として仕入へ入れる処理です。2行目は、期末に残った商品を繰越商品として資産に戻し、仕入から外す処理です。
ミーヤ:「返品で仕入を減らしてから、期首と期末で売れた分を出すんだ!」
売上原価勘定を使う問題ならどう見る?
問題によっては、売上原価勘定を使って計算する場合もあります。その場合も、最初に仕入返品を処理する点は同じです。
こぐまさん:「売上原価勘定を使うと、急に別物に見えるね。」
ペンリー:「目的は同じだ。売れた分の原価を売上原価に集める。」
たとえば、返品処理後の仕入残高が775,800円、期首商品42,000円、期末商品58,000円なら、売上原価勘定を使う仕訳は次の形です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上原価 | 42,000 | 繰越商品 | 42,000 |
| 売上原価 | 775,800 | 仕入 | 775,800 |
| 繰越商品 | 58,000 | 売上原価 | 58,000 |
仕入勘定で計算する方法と、売上原価勘定で計算する方法は、表示のしかたが違います。ただし、考え方はどちらも「売れた分だけを費用にする」です。
ここが不安なら、売上原価の記事や繰越商品の基本記事で先に土台を確認すると整理しやすくなります。
ここで迷いやすいポイント
返品を期末商品に混ぜてしまう
仕入返品は、仕入れた商品を返した取引です。期末商品棚卸高は、決算日に残っている商品の金額です。
この2つは同じ「商品」に関係しますが、役割が違います。返品は仕入を減らす修正、期末商品は売れ残りを資産に戻す決算整理です。
期末商品だけを見て、未処理を忘れる
精算表では、問題文にある未処理事項を先に拾います。仕入返品が未処理なら、その時点の仕入残高はまだ正しくありません。
ルヴィア監査官:「先に未処理を消さないと、決算整理の数字までずれちゃいますね。」
セルヴィア:「整った数字で決算書を見られると、現場のがんばりもきれいに伝わりますね。」
仕訳クイズ
ミーヤ:「じゃあ、返品としーくりくりしーを続けてやってみる!」
ペンリー:「順番を崩さなければ大丈夫だ。」
Q. 掛けで仕入れた商品のうち6,000円を返品していたが未処理だった。期首商品は30,000円、期末商品は44,000円である。売上原価を仕入勘定で計算する場合の決算整理仕訳は?
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 6,000 | 仕入 | 6,000 |
| 仕入 | 30,000 | 繰越商品 | 30,000 |
| 繰越商品 | 44,000 | 仕入 | 44,000 |
まず返品で仕入を減らします。そのあと、期首商品と期末商品を使って売上原価を計算できる形にします。
エピローグ
月末の精算表に、こぐまさんは小さく「返品先、売上原価あと」とメモしました。
こぐまさん:「未処理を直してから決算整理。ここを分ければ混乱しないね。」
ミーヤ:「しーくりくりしーに入る前に、返品チェックだね!」
セルヴィア:「数字を整える順番が見えると、損益計算書もぐっと読みやすくなりますね。」
まとめ
こぐまさん:「今日のポイントは、返品で仕入を直してから売上原価を出すことだね。」
- 仕入返品が未処理なら、先に
買掛金 / 仕入で仕入を減らす - 売上原価は、返品などを反映した後の仕入をもとに計算する
- 仕入勘定で計算する方法と売上原価勘定を使う方法は、表示が違うだけで目的は同じ

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。










