日商簿記2級 · 帳簿・決算・連結 · 3 / 6

税効果会計

このページの目標:将来減算一時差異から繰延税金資産を計算できる。

2026年度向け(2027年3月まで) · 2027年度の変更点

目次・問題へ移動する

まずは身近な場面から

こぐま商会は、今年の会計では費用にしたものを、税金の計算ではまだ費用として認めてもらえません。将来認められるなら、その税負担への効果を考えます。

こぐまさん

こぐまさん会計の費用と、税金を計算するときの費用は、いつも同じ?

ペンリー

ペンリー認める時期がずれることがあるよ。将来税金が軽くなる効果を資産として記録し、今年の利益に対応する税金費用へ調整するんだ。

この場面で使う言葉

損金(そんきん)
税金の計算上、所得から差し引くことが認められるもの。会計の費用と必ずしも同じではない。
将来減算一時差異
会計と税務の時期のずれのうち、将来の税金計算で所得から差し引けるようになる差。
繰延税金資産(くりのべぜいきんしさん)
将来の税負担が軽くなる効果を表す資産。将来その効果を使える見込みがある範囲で記録する。
法定実効税率
法人税などを合わせた税負担を表す割合。この例では問題が指定する30%を使う。
ひとこと確認

一時差異の金額を、そのまま繰延税金資産にする?

計算の前に、意味を確かめてみましょう。成績には含みません。選び直せます。

この考え方を、数字で確かめる

具体例で数字を追いかける

売掛金などを回収できない場合に備えた見積額(貸倒引当金)を、会計上は費用として計上しました。そのうち40,000円は当期の税務では損金として認められません。全額が将来減算一時差異で、回収可能性があり、法定実効税率30%。期首の繰延税金資産は0円です。

なぜ、この計算になるの?

  1. 差異40,000円そのものが税金になるわけではありません。税金への効果なので、指定された税率30%を掛けて12,000円に直します。
  2. 期首残高が0円なので、必要な資産12,000円をそのまま追加します。この記録で、実際の納付額が12,000円減るわけではありません。
条件から求める金額・数量左右にスクロールできます
項目計算金額
将来減算一時差異限度超過額40,000円
繰延税金資産40,000×30%12,000円

この例では将来の税負担が軽くなる効果12,000円を資産にし、法人税等調整額で当期の税金費用を減らします。

この例の仕訳左右にスクロールできます
借方科目金額(円)貸方科目金額(円)
繰延税金資産12,000法人税等調整額12,000

解き方と処理のルールを整理しよう

一時差異から期末必要額を求め、既存の繰延税金資産との差額を仕訳する。

会計上の費用と税務上の損金の認識時期がずれると、一時差異が生じます。将来、税務上の減算につながる差異は将来減算一時差異です。回収可能性がある範囲で、一時差異に法定実効税率を掛けた繰延税金資産を計上します。

税効果会計は、実際の納付額を書き換える処理ではありません。当期の会計上の利益に対応する税金費用へ調整する処理です。永久に解消しない永久差異は、一時差異と分けて考えます。

2問で確かめよう

解説の考え方を使って、金額や数量を求めましょう。単位を付けず、整数で入力します。

確認問題 1
円
確認問題 2
円

回答は学習履歴には保存されません。

入力方法を確認する

0以上の整数を、単位を付けずに入力してください。全角数字・3桁ごとのカンマにも対応しています。例:120000 または 120,000。

条件が変わったら、どう考える?

翌期になり、前期に税務上認められなかった費用が損金に算入されました。

こぐまさん

こぐまさんの疑問税金が減るから、繰延税金資産をもう一度増やす?

ペンリー

ペンリーと整理以前に見込んだ軽減が実現したんだ。対応する資産を取り崩して、税金費用を調整しよう。

  1. 1永久差異と一時差異
  2. 2将来減算か将来加算か
  3. 3期末必要額を計算
  4. 4既存残高との差額を仕訳

発生と解消を時系列で追う

一時差異40,000円、実効税率30%なら、繰延税金資産12,000円を計上。翌期にその差異が全額解消したら、法人税等調整額12,000/繰延税金資産12,000で取り崩します。解消時に再び資産を増やしません。

差異が一部残る場合は、期末に必要な残高を先に計算します。期首資産12,000円、期末差異30,000円なら必要額9,000円。差額3,000円だけを取り崩します。回収可能性がある前提です。

減算一時差異の残高左右にスクロールできます
時点差異税率必要な資産
前期末40,00030%12,000
当期末30,00030%9,000
当期の変動−10,00030%−3,000
この条件の仕訳(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額

すべての差を税効果にしない

永久に損金にならない費用は永久差異であり、後で解消する一時差異と違います。『税務上認められない』という言葉だけで繰延税金資産を計上しません。

将来加算一時差異では繰延税金負債を検討します。その他有価証券評価差額に対応する税効果は、通常の法人税等調整額との組合せではなく評価差額金と対応させます。原因となる取引も確認しましょう。

考え方を自分の答案にする

期首残高から当期の仕訳を決める

貸倒引当金に係る繰延税金資産の期首残高18,000円。当期末の将来減算一時差異40,000円、法定実効税率30%。全額回収可能。税率変更・その他の差異なし。

数値は単位を付けず、0以上の整数で入力します。不要な仕訳欄は空欄にしてください。

期末の繰延税金資産必要額
円
考え始めるヒント

期末の一時差異に税率を掛けよう。今ある残高との差額は次の仕訳で使うよ。

当期の税効果仕訳

期首残高と必要額の差額を調整してください。

自分で仕訳を作る(単位:円)左右にスクロールできます
借方科目金額貸方科目金額
考え始めるヒント

既存残高と必要残高を比べ、資産を増やすか取り崩すか決めよう。

永久に損金に算入されない差異の扱いは?
考え始めるヒント

その差異は将来、税務上も費用になるかな?いつか解消するかを考えよう。

回答は学習履歴には保存されません。未解答でも採点できます。

対象範囲の確認:日本商工会議所・2026年度適用の出題区分表。2026年10月31日確認。例題・練習問題は簿記ラボ作成の独自教材です。例題は基本処理を確かめるために条件を絞ったもので、試験の全論点を網羅するものではありません。