
【簿記3級】前払保険料の月割計算がわからないときの見方|何か月分を前払にする?
2026年5月16日 に公開

前払にするのは「決算日のあと」の未経過分
こぐま商会では、店の保険料をまとめて支払っています。決算日、こぐまさんは保険契約の期間を見ながら、何か月分を前払保険料にするのか迷いました。
前払保険料の月割計算では、支払った総額をそのまま費用にせず、決算日時点でまだ保険サービスを受けていない分を資産へ振り替えます。つまり、見るべきなのは「いつ払ったか」だけではなく、決算日の翌日以降に対応する月数が何か月あるかです。
こぐまさん:「12か月分をまとめて払ったけど、決算では何か月分を前払にすればいいんだろう?」
ミーヤ:「4か月?8か月?線を引く場所でこんがらがる!」
ペンリー:「決算日で切る。決算日の後に残っている期間が、前払保険料だ。」
この記事では、簿記3級で迷いやすい前払保険料の月割計算を、こぐま商会の例で整理します。
【こぐまTips:月割計算は期間を線で切る】
ペンリー:「まず、保険期間を横線で見るといい。」
こぐまさん:「支払日から決算日までが当期分、決算日の後が翌期分だね。」
| 確認すること | 見方 |
|---|---|
| 支払った金額 | 何か月分をまとめて払ったか |
| 保険期間 | いつからいつまでのサービスか |
| 決算日 | 当期分と翌期分を分ける境目 |
| 前払にする月数 | 決算日のあとに残る月数 |
前払保険料は、将来の期間に対応する保険料です。決算日時点でまだサービスを受けていない分なので、費用から外して資産にします。
前払保険料 = 支払額 × 決算日のあとに残る月数 ÷ 支払った期間の総月数 と考えます。
こぐま商会ではどう仕訳する?
例題1:12月1日に1年分を払った場合
こぐま商会の会計期間は4月1日から3月31日までです。12月1日に、店の保険料120,000円を向こう1年分として現金で支払いました。
ミーヤ:「12月から3月までが当期で、4月から11月までが翌期?」
ペンリー:「そうだ。決算日は3月31日だから、4月から11月の8か月分が前払になる。」
| 期間 | 月数 | 扱い |
|---|---|---|
| 12月から3月 | 4か月 | 当期の保険料 |
| 4月から11月 | 8か月 | 前払保険料 |
| 合計 | 12か月 | 支払った期間 |
前払保険料は、120,000円 × 8か月 ÷ 12か月 = 80,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前払保険料 | 80,000 | 保険料 | 80,000 |
支払時に保険料として処理している場合、決算では翌期分80,000円を費用から外し、前払保険料という資産に振り替えます。
こぐまさん:「当期に使った4か月分は保険料のまま、まだ使っていない8か月分を前払にするんだね。」
例題2:6月1日に半年分を払った場合
こぐま商会は、6月1日に保険料60,000円を向こう半年分として現金で支払いました。会計期間は4月1日から3月31日です。
ミーヤ:「6月から11月までなら、全部当期の中に入ってるね。」
ペンリー:「その場合、決算日のあとに残る月はない。前払保険料は出ない。」
| 期間 | 月数 | 扱い |
|---|---|---|
| 6月から11月 | 6か月 | 当期の保険料 |
| 決算日のあと | 0か月 | 前払なし |
この場合、決算日に前払保険料へ振り替える金額はありません。すべて当期の保険料です。
問題文によっては、決算整理仕訳が不要なケースもあります。決算日の後に残っている期間があるかを先に確認します。
こぐまさん:「支払ったから必ず前払にするわけじゃないんだね。」
期首再振替があるときはどう見る?
前払保険料は、翌期首に再振替仕訳をすることがあります。これは、前期末に資産へ移した保険料を、翌期の費用として戻すためです。
こぐまさん:「期首に前払保険料を保険料へ戻すのは、決算の前払処理と逆なんだね。」
ペンリー:「そうだ。前期末に翌期分として残したものを、翌期の費用へ戻す。」
| タイミング | 仕訳の形 | 意味 |
|---|---|---|
| 決算日 | 前払保険料 / 保険料 | 翌期分を費用から外す |
| 翌期首 | 保険料 / 前払保険料 | 翌期の費用へ戻す |
前払保険料の基本を先に確認したい場合は、前払保険料の記事や前払費用と前受収益の違いも参考になります。
ここで迷いやすいポイント
支払日から決算日までを前払にしてしまう
前払にするのは、決算日までの期間ではありません。決算日のあとに残っている未経過分です。
12か月分なら必ず何かを前払にすると思ってしまう
12か月分を払っていても、その期間がすべて当期中に終わっていれば前払はありません。会計期間と保険期間の重なりを見ます。
月数の分母を間違える
分母は、支払った保険料が何か月分かです。1年分なら12、半年分なら6です。問題文に複数回の支払いや前期からの残高がある場合は、それぞれの期間を分けて読みます。
ミーヤ:「決算日より前を数えて、前払にしちゃいそうだった。」
ペンリー:「前払は未来分。決算日の後だけを数える、と決めておくと崩れにくい。」
仕訳クイズ
こぐまさん:「決算日の後に残る月数を数えてみよう。」
ミーヤ:「線を引いて、未来分だけ!」
Q. 会計期間は4月1日から3月31日。10月1日に、向こう1年分の保険料96,000円を現金で支払い、全額を保険料として処理していた。決算日に必要な仕訳は?
10月から3月までが6か月、4月から9月までが6か月です。決算日のあとに残る6か月分を前払保険料にします。
前払保険料 = 96,000円 × 6か月 ÷ 12か月 = 48,000円
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前払保険料 | 48,000 | 保険料 | 48,000 |
翌期分48,000円を当期の費用から外し、前払保険料として資産にします。
エピローグ
こぐまさんは、保険証券のコピーに「決算日の後だけ数える」と付箋を貼りました。
こぐまさん:「支払日ではなく、決算日で区切る。そこから未来分を前払にするんだね。」
ミーヤ:「月割り、ちょっと見えた!線を引けばこわくないね。」
ペンリー:「その見方でいい。期間を先に分ければ、仕訳は自然に決まる。」
まとめ
こぐまさん:「今日のポイントは、決算日のあとに残る月数を前払にすることだね。」
- 前払保険料は、決算日のあとに残る未経過分を資産にする処理
- 月割計算は
支払額 × 未経過月数 ÷ 支払った総月数で考える - 期首再振替は、前期末に前払へ移した分を翌期の保険料へ戻す仕訳

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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