
受験年度に注意:このページの紙の手形・小切手を使う例題は、2026年度までの出題区分表に沿った演習です。2027年度からの範囲は確定版の変更点で確認してください。
模試第28回の第1問は、何が起きた取引かを確認してから、増減する科目と金額を決めると整理できます。この記事では全15問について、問題文、正解仕訳、借方・貸方の理由を順に確認します。今回は小切手の振出人・前払金と前受金・貸倒れが復習の中心です。
こぐま商会の経理日誌:第28回を振り返る
こぐま商会の閉店後。こぐまさんは第28回の解答を机に広げ、正解した問題にも、科目を選んだ理由を一言ずつ添えることにしました。
こぐまさん:「小切手を受け取る問題なのに、現金と当座預金で答えが分かれるのはどうしてかな?」
ペンリー:「小切手という名前だけでなく、誰が振り出したかを確認しよう。自社の小切手が戻る場合は、前の記録も関係するんだ。」
こぐまさん:「貸倒れの問題も、引当金の残高だけを見ればいいわけではないんだね。」
ペンリー:「売掛金が前期と当期のどちらに発生したかも大事だよ。似た二つの問題で、違う条件を並べて確かめよう。」
仕訳を決める三つの確認
こぐまさん:「似た名前の科目で迷ったら、何から見ればいいかな?」
ペンリー:「何の代金か、もう記帳しているか、実際に何を受け渡したかを確かめよう。」
| 確認すること | 問題文で探す条件 | 仕訳へのつながり |
|---|---|---|
| 取引の内容 | 商品・自社用備品・借入れ・出資など | 売上、備品、借入金、資本金を区別する |
| 記録した時点 | 未記帳・処理済み・回収・精算など | 新規の費用計上か、既存の科目の取崩しかを決める |
| 今回の受渡し | 現金・普通預金・当座預金・後払いなど | 実際に動いた資産や残った債権・債務を記録する |
入金と売上、支払いと費用は、いつも同時に起きるとは限りません。 まず自分で問題を読み、答えを考えてから仕訳表を確認してみてください。
問1 自社振出小切手による売掛金回収
問題:得意先から売掛金56,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。
こぐまさん:「小切手を受け取ったのに、どうして現金を増やさないの?」
ペンリー:「今回は、以前に自社が振り出した小切手が戻ってきたんだ。振り出したときには、当座預金を減らしているよ。」
こぐまさん:「その小切手が銀行で支払われなくなるから、前に減らした当座預金を戻すんだね。」
ペンリー:「あわせて売掛金も回収できたので、その分を減らそう。他社が振り出した小切手との違いは、次の問2で確かめられるよ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 56,000 | 売掛金 | 56,000 |
今回は、得意先から売掛金56,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。
借方の理由
自社振出小切手が戻ったため、当座預金の減少を取り消します。
貸方の理由
回収した売掛金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「以前に当社が振り出した小切手」がポイント! 小切手を受け取っただけで現金を増やしがちですが、自社振出しの小切手が戻ってきた取引です。借方の当座預金56,000円を増やし、回収した売掛金56,000円を貸方で減らします。
こぐまさん:「小切手を受け取ったら、まず誰が振り出したかを確かめればいいんだね。」
問2 他社振出小切手による売掛金回収
問題:得意先から売掛金72,000円の支払いとして、他社が振り出した小切手を受け取った。
こぐまさん:「問1と同じ小切手の受取りなのに、今度は現金になるの?」
ペンリー:「振り出したのが自社ではなく他社だからだよ。他社振出小切手は、簿記上の現金として扱うんだ。」
こぐまさん:「銀行の通帳にはまだ入っていないから、当座預金は増やさないんだね。」
ペンリー:「まずは手元で受け取った現金として記録しよう。自社振出小切手が戻る問1とは、振出人が違うんだね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 72,000 | 売掛金 | 72,000 |
今回は、得意先から売掛金72,000円の支払いとして、他社が振り出した小切手を受け取った。
借方の理由
他社振出小切手は手元では現金として扱います。
貸方の理由
回収した売掛金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「他社が振り出した小切手」がポイント! 小切手を見て当座預金を増やしたくなりますが、他社振出しの小切手は簿記上の現金です。借方の現金72,000円を増やし、回収した売掛金72,000円を貸方で減らします。
こぐまさん:「同じ小切手の受取りでも、振出人が違うと借方の科目が変わるんだね。」
問3 掛け仕入れと引取運賃
問題:商品100,000円を掛けで仕入れた。引取運賃5,000円は当社が現金で負担した。これらをまとめて仕訳しなさい。
こぐまさん:「運賃は商品とは別に払うのだから、発送費にすればいいのかな?」
ペンリー:「今回は商品を仕入れるための引取運賃だよ。当社が負担する分は、仕入原価に含めよう。」
こぐまさん:「仕入を105,000円にするなら、買掛金も105,000円になるの?」
ペンリー:「掛けなのは商品代金100,000円だけだよ。運賃5,000円は現金で払っているので、貸方は二つに分けるんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 105,000 | 買掛金 | 100,000 |
| 現金 | 5,000 |
今回は、商品100,000円を掛けで仕入れた。引取運賃5,000円は当社が現金で負担した。これらをまとめて仕訳しなさい。
借方の理由
当社負担の引取運賃を商品代金に加え、仕入原価に含めます。
貸方の理由
商品代金は買掛金、運賃の支払いは現金で記録します。
間違えやすいポイント
問題文の「引取運賃5,000円は当社が現金で負担」がポイント! 運賃を別の費用にしがちですが、仕入時に当社が負担した引取運賃は仕入原価に含めます。借方の仕入は商品代金100,000円+引取運賃5,000円=105,000円です。貸方は商品代金の買掛金100,000円と運賃を払った現金5,000円に分けます。
こぐまさん:「何を仕入原価に含めるかと、どう支払ったかは、別々に確認するんだね。」
問4 前受金を充当した掛け売り
問題:商品150,000円を引き渡した。注文時に受け取って前受金に計上した手付金20,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
こぐまさん:「150,000円の商品を渡したから、売掛金も150,000円にするのかな?」
ペンリー:「代金のうち20,000円は内金として受取済みだね。まだ受け取っていない残額だけが売掛金になるよ。」
こぐまさん:「先にもらった20,000円は、売上から差し引くの?」
ペンリー:「商品代金の売上は150,000円全額だよ。借方では前受金20,000円を取り崩し、残り130,000円を売掛金にするんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 前受金 | 20,000 | 売上 | 150,000 |
| 売掛金 | 130,000 |
今回は、商品150,000円を引き渡した。注文時に受け取って前受金に計上した手付金20,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
借方の理由
受領済みの前受金を取り崩し、残額を売掛金にします。
貸方の理由
引き渡した商品の代金全額を売上にします。
間違えやすいポイント
問題文の「注文時に受け取って前受金に計上した」がポイント! 手付金をもう一度現金で受け取ったり、商品代金の全額を売掛金にしたりしないようにします。商品を引き渡したので貸方の売上は150,000円。借方は記帳済みの前受金20,000円を取り崩し、掛けにした残額150,000円-20,000円=130,000円を売掛金にします。
こぐまさん:「内金をもう一度現金で受け取ったことにせず、前受金を消すんだね。」
問5 前払金を充当した掛け仕入れ
問題:商品130,000円を受け取った。注文時に支払って前払金に計上した手付金30,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
こぐまさん:「商品130,000円を受け取ったけれど、仕入にするのは残りの100,000円だけ?」
ペンリー:「先に払った内金も、その商品の代金の一部だよ。商品を受け取った今回は、仕入を全額記録しよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 130,000 | 前払金 | 30,000 |
| 買掛金 | 100,000 |
今回は、商品130,000円を受け取った。注文時に支払って前払金に計上した手付金30,000円を代金に充て、残額は掛けとした。
借方の理由
受け取った商品の代金全額を仕入にします。
貸方の理由
支払済みの前払金を取り崩し、残額を買掛金にします。
間違えやすいポイント
問題文の「注文時に支払って前払金に計上した」がポイント! 手付金をもう一度現金で支払う仕訳は不要です。商品を受け取ったので借方の仕入は130,000円。貸方で記帳済みの前払金30,000円を取り崩し、掛けにした残額130,000円-30,000円=100,000円を買掛金にします。
こぐまさん:「先払いした30,000円を、今また現金から減らすわけではないんだね。」
ペンリー:「前に記録した前払金を取り崩すんだ。まだ払っていない100,000円だけを買掛金として残そう。」
問6 仕入先から自社用備品を購入
問題:いつも商品を仕入れている取引先から、当社の事務所で使う備品200,000円を購入し、代金は翌月に支払うことにした。
こぐまさん:「いつも商品を買う仕入先だから、今回も買掛金を使っていいのかな?」
ペンリー:「相手よりも、何を買ったかに注目しよう。今回は事務所で使う備品で、販売用の商品ではないね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 200,000 | 未払金 | 200,000 |
今回は、いつも商品を仕入れている取引先から、当社の事務所で使う備品200,000円を購入し、代金は翌月に支払うことにした。
借方の理由
販売用の商品ではなく、事務所で使う備品を取得します。
貸方の理由
備品代金の後払いは、商品の買掛金ではなく未払金です。
間違えやすいポイント
問題文の「事務所で使う備品」がポイント! 相手がいつもの仕入先なので買掛金を使いがちですが、購入したのは販売用の商品ではありません。借方は備品200,000円、翌月に払う代金は貸方の未払金200,000円です。
こぐまさん:「備品の購入だから、後払いの科目も変わるんだね。」
ペンリー:「その支払義務は未払金にしよう。取引先が同じでも、商品仕入れか自社用備品の購入かで区別するよ。」
問7 減価償却済み備品の売却損
問題:備品(取得原価200,000円、売却日までの減価償却累計額120,000円)を70,000円で売却し、代金は翌月に受け取ることにした。売却日までの減価償却は計上済みである。
こぐまさん:「200,000円で買った備品を70,000円で売ったなら、差額130,000円が損なの?」
ペンリー:「比べるのは取得原価そのものではなく、減価償却した後の帳簿価額だよ。200,000円から累計額120,000円を引こう。」
こぐまさん:「帳簿価額80,000円より10,000円安く売れたから、その10,000円が売却損なんだね。」
ペンリー:「代金は翌月受取りなので、70,000円は現金ではなく未収入金だよ。備品と減価償却累計額は、売却した分を帳簿から取り崩そう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未収入金 | 70,000 | 備品 | 200,000 |
| 備品減価償却累計額 | 120,000 | ||
| 固定資産売却損 | 10,000 |
今回は、備品(取得原価200,000円、売却日までの減価償却累計額120,000円)を70,000円で売却し、代金は翌月に受け取ることにした。売却日までの減価償却は計上済みである。
借方の理由
未回収の売却代金を未収入金とし、備品減価償却累計額を消して固定資産売却損を計上します。
貸方の理由
売却した備品の取得原価を帳簿から取り消します。
間違えやすいポイント
問題文の「備品を売却し、代金は翌月に受け取る」がポイント! 売掛金にしたくなりますが、販売したのは商品ではないため、代金70,000円は借方の未収入金です。備品200,000円を貸方で消し、減価償却累計額120,000円を借方で消します。帳簿価額は200,000円-120,000円=80,000円。売却額との差80,000円-70,000円=10,000円を借方の固定資産売却損にします。
こぐまさん:「価額の計算と、代金をいつ受け取るかを分けて読む必要があるんだね。」
問8 前期発生の売掛金の貸倒れ
問題:前期に販売した商品の売掛金40,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は50,000円である。
こぐまさん:「貸倒れが起きたら、いつも貸倒損失という費用にするのでは?」
ペンリー:「この売掛金は前期に発生した分だね。使える貸倒引当金の残高があるので、まずそれを取り崩そう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒引当金 | 40,000 | 売掛金 | 40,000 |
今回は、前期に販売した商品の売掛金40,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は50,000円である。
借方の理由
前期発生の売掛金なので、残高のある貸倒引当金を取り崩します。
貸方の理由
貸し倒れた売掛金を消します。
間違えやすいポイント
問題文の「前期に販売した商品の売掛金」がポイント! 当期の貸倒損失にしがちですが、この売掛金には貸倒引当金を充てられます。残高50,000円は貸倒額40,000円以上なので、借方の貸倒引当金40,000円を取り崩し、貸方の売掛金40,000円を減らします。
こぐまさん:「引当金50,000円を全部使うのかな?」
ペンリー:「貸し倒れた額は40,000円だから、使う引当金も40,000円だけだよ。残り10,000円は引当金に残るんだ。」
問9 当期発生の売掛金の貸倒れ
問題:当期に販売した商品の売掛金40,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は50,000円である。
こぐまさん:「問8と同じく引当金が50,000円あるのに、今度は使わないの?」
ペンリー:「今回は当期に販売した商品の売掛金だからだよ。当期に生じた売掛金の貸倒れは、当期の貸倒損失にするんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貸倒損失 | 40,000 | 売掛金 | 40,000 |
今回は、当期に販売した商品の売掛金40,000円が貸し倒れた。貸倒引当金の残高は50,000円である。
借方の理由
当期発生の売掛金の貸倒れは、当期の貸倒損失にします。
貸方の理由
貸し倒れた売掛金を消します。
間違えやすいポイント
問題文の「当期に販売した商品の売掛金」がポイント! 貸倒引当金の残高50,000円を見て取り崩したくなりますが、当期に生じた売掛金の貸倒れは当期の損失です。借方の貸倒損失40,000円を計上し、貸方の売掛金40,000円を減らします。
こぐまさん:「引当金の残高だけを見て、すぐ取り崩すと間違えるんだね。」
ペンリー:「最初に売掛金がいつ発生したかを確認しよう。前期発生の問8と対にすると、違う条件はそこだと分かるね。」
問10 現金不足の原因が交通費と判明
問題:以前、現金3,600円の不足を現金過不足(借方)として処理した。その後、出張交通費3,600円を現金で支払ったときの記帳漏れが原因と分かった。
こぐまさん:「交通費を現金で払った記帳漏れなら、貸方は現金にするのかな?」
ペンリー:「不足を発見したときに、現金はすでに減らしているよ。今回は現金過不足として置いた原因を確定する処理なんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 3,600 | 現金過不足 | 3,600 |
今回は、以前、現金3,600円の不足を現金過不足(借方)として処理した。その後、出張交通費3,600円を現金で支払ったときの記帳漏れが原因と分かった。
借方の理由
不足の原因と分かった旅費交通費を計上します。
貸方の理由
不足発見時に借方計上した現金過不足を消します。
間違えやすいポイント
問題文の「以前、現金3,600円の不足を現金過不足(借方)として処理した」がポイント! 「現金で支払った」だけを見て、借方:旅費交通費3,600円/貸方:現金3,600円と書きたくなります。しかし、不足が分かった時点で借方:現金過不足3,600円/貸方:現金3,600円を記帳済みです。今回は不足の原因が旅費交通費だと分かったので、借方:旅費交通費3,600円/貸方:現金過不足3,600円に振り替えます。
こぐまさん:「ここでもう一度現金を減らすと、同じ支出を二度書くことになるんだね。」
ペンリー:「原因だった旅費交通費を借方へ記録し、借方に残っていた現金過不足を貸方で消そう。」
問11 従業員と会社の社会保険料の納付
問題:社会保険料として、すでに従業員の給料から預かった25,000円と当社負担分25,000円の合計を普通預金から納付した。
こぐまさん:「普通預金から50,000円納めたから、全部を会社の法定福利費にするのかな?」
ペンリー:「そのうち25,000円は、従業員の給料からすでに預かっていた分だよ。会社負担分と分けてみよう。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 社会保険料預り金 | 25,000 | 普通預金 | 50,000 |
| 法定福利費 | 25,000 |
今回は、社会保険料として、すでに従業員の給料から預かった25,000円と当社負担分25,000円の合計を普通預金から納付した。
借方の理由
従業員負担分の社会保険料預り金を取り崩し、会社負担分だけを法定福利費にします。
貸方の理由
従業員負担分と会社負担分の合計を普通預金から納付します。
間違えやすいポイント
問題文の「給料から預かった分」と「当社負担分」がポイント! 納付額をすべて会社の費用にしがちですが、従業員負担分25,000円は預かっていた社会保険料の支払いです。借方の社会保険料預り金25,000円と法定福利費25,000円に分け、25,000円+25,000円=50,000円を貸方の普通預金から支払います。
こぐまさん:「従業員分は社会保険料預り金を減らし、会社分だけを費用にするんだね。」
ペンリー:「それで借方の合計は50,000円になるよ。普通預金は、実際に納めた合計額を減らそう。」
問12 法人税等の中間納付
問題:法人税等の中間申告を行い、82,000円を現金で納付した。
こぐまさん:「法人税等という名前の納付なのに、なぜ仮払法人税等を使うの?」
ペンリー:「『中間申告』とあるからだよ。年間の税額が確定したときに精算するため、いったん仮払法人税等に記録するんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仮払法人税等 | 82,000 | 現金 | 82,000 |
今回は、法人税等の中間申告を行い、82,000円を現金で納付した。
借方の理由
中間納付は決算時に精算するまで仮払法人税等にします。
貸方の理由
納付に使った現金を減らします。
間違えやすいポイント
問題文の「中間申告」がポイント! 納付額をその場で法人税等の費用にしがちですが、中間納付は決算で精算するまで仮払法人税等として扱います。借方は仮払法人税等82,000円、現金で納めたので貸方は現金82,000円です。
こぐまさん:「今回の支払額を、そのまま年間の税金の費用と決めないんだね。」
ペンリー:「そう。ここでは現金で82,000円納付したことと、精算前の仮払額が増えたことを記録しよう。」
問13 売上時に手数料を控除するカード販売
問題:商品70,000円をクレジットカード払いで販売した。カード会社への手数料は決済額の2%で、売上時にクレジット売掛金から差し引いて計上する。
こぐまさん:「カード会社からは手数料を引かれるなら、売上も68,600円にするのかな?」
ペンリー:「商品の販売額は70,000円のままだよ。カード会社に払う利用料は、商品代金の値引きではないんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クレジット売掛金 | 68,600 | 売上 | 70,000 |
| 支払手数料 | 1,400 |
今回は、商品70,000円をクレジットカード払いで販売した。カード会社への手数料は決済額の2%で、売上時にクレジット売掛金から差し引いて計上する。
借方の理由
カード会社へのクレジット売掛金は手数料控除後の額とし、支払手数料を別に費用計上します。
貸方の理由
商品代金の総額を売上にします。
間違えやすいポイント
問題文の「売上時にクレジット売掛金から差し引く」がポイント! 手数料を売上から引きたくなりますが、貸方の売上は70,000円のままです。手数料は70,000円×2%=1,400円を借方の支払手数料に計上し、借方のクレジット売掛金は70,000円-1,400円=68,600円です。
こぐまさん:「2%の手数料1,400円と、受取予定の68,600円を分けるんだね。」
ペンリー:「手数料を差し引く時点も確認しよう。この問題は『売上時に』とあるので、販売の仕訳に支払手数料を含めるよ。」
問14 送料込みの掛け売りと未払送料
問題:商品90,000円(送料込み)を掛けで販売し、配送業者に引き渡した。送料3,000円は当社負担で費用処理し、月末に支払うことにした。
こぐまさん:「送料込み90,000円から送料3,000円を引いて、売上を87,000円にするの?」
ペンリー:「得意先への販売額は、送料込みで90,000円だよ。当社が配送業者へ払う送料は、それとは別の費用なんだ。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 90,000 | 売上 | 90,000 |
| 発送費 | 3,000 | 未払金 | 3,000 |
今回は、商品90,000円(送料込み)を掛けで販売し、配送業者に引き渡した。送料3,000円は当社負担で費用処理し、月末に支払うことにした。
借方の理由
送料込みの販売代金を売掛金とし、当社負担の送料を発送費にします。
貸方の理由
販売額を売上にし、後払いの送料を未払金にします。
間違えやすいポイント
問題文の「送料込み」と「当社負担で費用処理」がポイント! 送料を売上から差し引きたくなりますが、得意先への販売額は90,000円なので、借方の売掛金と貸方の売上にそれぞれ計上します。配送業者への送料3,000円は別に借方の発送費とし、月末払いなので貸方の未払金にします。
こぐまさん:「まだ送料を払っていなくても、発送費は記録するんだね。」
ペンリー:「発送は済んでいるからね。月末に払う3,000円は未払金にして、現金を今減らさないようにしよう。」
問15 税込価格を税抜方式で処理
問題:商品55,000円(税込、消費税率10%)を掛けで販売した。消費税は税抜方式で処理する。
こぐまさん:「55,000円の商品に、さらに消費税を加えて売掛金にするのかな?」
ペンリー:「55,000円はすでに税込価格だよ。追加するのではなく、その中から商品代金と消費税を分けよう。」
こぐまさん:「税抜きの50,000円は、どう求めるの?」
ペンリー:「税込額55,000円を1.1で割ると、税抜きの売上50,000円になるよ。差額5,000円が仮受消費税だね。」
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 55,000 | 売上 | 50,000 |
| 仮受消費税 | 5,000 |
今回は、商品55,000円(税込、消費税率10%)を掛けで販売した。消費税は税抜方式で処理する。
借方の理由
得意先に請求する税込額を売掛金にします。
貸方の理由
税込額を税抜きの売上と仮受消費税に分けます。
間違えやすいポイント
問題文の「55,000円(税込)」と「税抜方式」がポイント! 税込額をすべて売上にしたり、さらに消費税を上乗せしたりしないようにします。55,000円÷1.1=50,000円が貸方の売上、差額の55,000円-50,000円=5,000円が貸方の仮受消費税です。借方の売掛金は請求総額の55,000円です。
こぐまさん:「請求する総額は55,000円のままで、貸方だけを売上と消費税に分けるんだね。」
もう一度、自分で仕訳してみよう
こぐまさん:「今度は表を見ずに、自社振出小切手による売掛金回収を説明してみるよ。」
ペンリー:「科目と金額を決めたら、借方・貸方にした理由も一言添えてみよう。」
確認問題:得意先から売掛金56,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。
紙に仕訳を書いてから、次の答えと照合してください。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 56,000 | 売掛金 | 56,000 |
今回は、得意先から売掛金56,000円の支払いとして、以前に当社が振り出した小切手を受け取った。 問1の詳しい理由へ戻る。
エピローグ:理由を言えた問題から、次へ
こぐまさん:「同じ小切手でも、自社が振り出した物か、他社の物かで処理が違う理由が分かったよ。」
ペンリー:「同じ言葉があっても、取引の向きまで確かめることが大切だね。」
こぐまさん:「貸倒れでは発生した期、内金では記帳済みの額を先に確認するよ。」
ペンリー:「問題文で変わった条件が、どの科目や金額に影響するかを説明してみよう。」
第28回の復習メモ
こぐまさん:「次に解くときは、この三つを確かめるよ。」
- 小切手の受取りは、自社振出しか他社振出しかを確認する。
- 貸倒れは売掛金の発生した期と、使える貸倒引当金の残高を確認する。
- 内金や未払送料では、今回動いたお金と記帳済みの科目を分ける。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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