
【簿記3級】減価償却の直接法と間接法の違い|3級は間接法を押さえよう

2冊の帳簿、どちらが簿記3級の書き方?
減価償却の直接法と間接法の違いは、固定資産の減少を、その資産から直接差し引くか、減価償却累計額に分けて記録するかです。借方の「減価償却費」は同じですが、貸方の勘定科目が変わります。
日商簿記3級で押さえるのは間接法です。3級の問題では、貸方に「備品減価償却累計額」などを使う仕訳を基本にしましょう。
こぐま商会では、長く使っている木製の陳列棚について、決算整理仕訳を確認していました。机には、固定資産の金額を直接減らす帳簿と、累計額を別に記録する帳簿が並んでいます。
こぐまさん:「どちらも減価償却費を記録しているのに、貸方だけ違うんだね。」
ペンリー:「そう。計算する償却額は同じで、減少の記録先が違う。」
こぐまさん:「それなら、3級では記録先を間接法にそろえて覚えよう。」
【こぐまTips:直接法と間接法の違い】
直接法は、減価償却費の相手科目に「備品」や「建物」などの固定資産を使い、その帳簿残高を直接減らす方法です。
間接法は、固定資産の取得原価を残したまま、「備品減価償却累計額」などの評価勘定を使って、これまでの減価償却額を別に積み上げる方法です。
| 比較する点 | 直接法 | 間接法 |
|---|---|---|
| 貸方の勘定科目 | 備品・建物など | 備品減価償却累計額など |
| 固定資産の取得原価 | 帳簿上で直接減る | 取得時の金額を残す |
| これまでの償却額 | 固定資産の残高だけでは分かりにくい | 累計額として別に分かる |
| 日商簿記3級 | 出題範囲外 | 出題範囲 |
こぐまさん:「間接法なら、買ったときの金額と、今まで償却した合計を両方見られるね。」
ペンリー:「それが間接法の特徴だ。差し引けば帳簿価額も分かる。」
間接法では、次の関係が成り立ちます。
帳簿価額 = 取得原価 − 減価償却累計額
同じ陳列棚を直接法と間接法で仕訳してみよう
こぐま商会が240,000円で購入した陳列棚を、耐用年数6年、残存価額ゼロ、定額法で減価償却するとします。1年分の減価償却費は40,000円です。
240,000円 ÷ 6年 = 40,000円
こぐまさん:「まず減価償却費40,000円を計算するところまでは、どちらも同じだね。」
ペンリー:「そこから貸方を見れば、直接法か間接法かを判別できる。」
直接法の仕訳
直接法では、固定資産である「備品」を直接減らします。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 40,000 | 備品 | 40,000 |
間接法の仕訳
間接法では、「備品」の取得原価を減らさず、「備品減価償却累計額」を増やします。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 40,000 | 備品減価償却累計額 | 40,000 |
簿記3級で解答するのは、原則としてこの間接法の仕訳です。「減価償却費/備品」ではなく、「減価償却費/備品減価償却累計額」と覚えましょう。
2年後の帳簿はどう見える?
同じ陳列棚について、毎年40,000円ずつ2年間減価償却したとします。どちらの方法でも帳簿価額は160,000円ですが、帳簿に残る内訳が異なります。
| 2年後の金額 | 直接法 | 間接法 |
|---|---|---|
| 備品 | 160,000 | 240,000 |
| 備品減価償却累計額 | 使用しない | 80,000 |
| 帳簿価額 | 160,000 | 160,000 |
こぐまさん:「間接法は、備品240,000円から累計額80,000円を引いて、残り160,000円と読むんだね。」
ペンリー:「そう。取得原価と償却の履歴を分けて残せる。」
直接法と間接法は、減価償却費や最終的な帳簿価額が変わる方法ではありません。違うのは、固定資産の価値の減少を帳簿にどう残すかです。
簿記3級では間接法が出題される
日本商工会議所の2026年度適用の出題区分表では、有形固定資産の減価償却について、3級の範囲が間接法、直接法は2級以上の範囲とされています。
この扱いは、2019年度の改定で直接法が3級から2級へ移されたことによるものです。現在の3級対策では、次の形を優先して練習しましょう。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 当期の償却額 | ○○減価償却累計額 | 当期の償却額 |
こぐまさん:「問題文に直接法の指定がなくても、3級なら間接法で考えていいんだね。」
ペンリー:「うん。ただし、勘定科目の選択肢や指定があれば、それを正確に使おう。」
試験範囲の根拠は、日本商工会議所の簿記検定試験出題区分表で確認できます。出題区分は改定されることがあるため、受験年度の情報を見ると安心です。
間接法の仕訳クイズ
こぐま商会は、期首に取得した建物600,000円について、耐用年数10年、残存価額ゼロ、定額法で減価償却します。決算整理仕訳を考えてみましょう。
こぐまさん:「1年分は600,000円を10年で割って、60,000円だね。」
ペンリー:「あとは3級の記帳方法に合わせて、貸方を選ぼう。」
解答は次の通りです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 60,000 | 建物減価償却累計額 | 60,000 |
貸方を「建物」60,000円とすると直接法になります。計算が合っていても記帳方法が違うため、3級では貸方の減価償却累計額までセットで確認することが大切です。
決算の帳簿が、ひとつに決まった
こぐまさん:「計算額は同じ、違いは貸方の記録先。3級は累計額を使う間接法だね。」
ペンリー:「その順番で見れば、直接法との比較問題でも迷わない。」
こぐまさんは、陳列棚の取得原価を帳簿に残したまま、今年の40,000円を備品減価償却累計額へ記入しました。買ったときの金額と、これまで使った分が並び、棚の帳簿価額もすぐに確かめられます。
こぐまチェック
こぐまさん:「最後に、仕訳と試験範囲を一緒に確認しよう。」
- 直接法は、貸方の固定資産を直接減らす
- 間接法は、貸方の減価償却累計額を増やす
- どちらも減価償却費と帳簿価額は同じで、記録の見せ方が違う
- 日商簿記3級では間接法が出題範囲
- 3級の基本形は「減価償却費/○○減価償却累計額」
次は、減価償却の基本と間接法の仕訳で計算を練習し、帳簿価額の求め方で取得原価と累計額の関係を確かめましょう。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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